隠れキリシタンの遺物とみられるメダリオン(安土城考古博物館提供)

隠れキリシタンの遺物とみられるメダリオン(安土城考古博物館提供)

 半世紀前に滋賀県草津市内で見つかった聖母マリアの絵を施した「メダリオン」が、滋賀県近江八幡市安土町の滋賀県立安土城考古博物館で初展示されている。今春の調査で桃山時代から江戸初期の作とみられることが判明。キリスト教が日本に伝わり、弾圧された時期と重なるといい、博物館は「県内唯一の隠れキリシタンの遺物と考えられる」としている。


 メダリオンは、長さ11・3センチ、幅7・2センチの青銅製。「無原罪の聖母」と呼ばれる図像で、マリアが三日月に乗って合掌し、右に軽く首を傾けている。1965年ごろ、草津市内の旧家で発見された。
 博物館によると、同じ鋳型での製作か、別のメダリオンから型を取り直したか不明だが、同型が長崎県などで5点確認されている。江戸期の禁教時代には製造が困難な上に、5月に奈良大による蛍光エックス線分析で青銅製と判明、成分的にも16~17世紀に国内で製作したとみられるという。
 10月に所有者から県に寄贈され、同博物館に収蔵された。高木叙子学芸員は「県内には隠れキリシタンに関わる遺跡や遺物は他に確認されていないが、発見の旧家周辺では信仰があったと思わせる逸話も残る。滋賀で伝承されていてもおかしくない」と話す。
 27日まで。月曜休館。有料。