2020年東京五輪の聖火リレーランナーと詳細なルートが公表された。

 47都道府県の858市区町村を121日かけて巡るルートには各地の世界遺産や名所が組み込まれ、多くのスポーツ選手や芸能人らがランナーに起用された。

 五輪のPRと合わせ、地域の魅力も発信しようと期待する地元自治体も多かろう。

 だが、ランナー選考やルート選定の経過が不透明だと不満の声も聞かれる。

 公表されたランナーは、各都道府県実行委員会の推薦と公募で選ばれた。

 京都府や滋賀県の実行委も地元ゆかりの著名人を選んだが、どのような基準で決定したかを明らかにしていない。

 ルートについても同様だ。

 滋賀県は19市町全てを通るルートにしたが、京都府は16市町の通過にとどまり、南丹市や向日市など10市町村は外れた。

 警備費や人件費の負担を求められたとして辞退した自治体もあったが、立候補したのにルートから漏れた自治体は「説明がなく、理由が分からない」とする。

 両府県の実行委は、選考や選定の議論を非公開とした。五輪の組織委員会から議論の過程を明かさないよう求められたため、としている。

 組織委は「誰もが参加できる」聖火リレーを強調している。であればこそ、開かれた選考とすべきではなかったか。秘密主義では共感は得られない。

 今回の聖火リレーは、商業イベント色の強さも指摘されている。

 前回1964年の東京五輪では地元の青少年らが隊列を組み、1~2キロごとに聖火を走ってつないだ。今回は1人が走る距離は約200メートルで、スポンサーの車両も同行してゆっくりと進むパレード型になる見通しだ。

 都道府県の実行委が決められるランナーはごく一部で、京都と滋賀でも7~8割の決定権を公式スポンサー4社が握っている。

 聖火リレーの運営費は数十億円規模とみられている。多くの経費をスポンサーに頼らざるを得ない面があることは確かだ。

 ただ、国際オリンピック委員会(IOC)や組織委はコンパクトな五輪を目標としている。過度な商業イベント化はこうした理念に水を差すことになりはしないか。

 多くの国民が応援できる聖火リレーにするために、今後の選考にはさらなる工夫が求められる。