小泉さんが亡くなった事故現場の阪急大山崎駅前。朝は通勤や通学の市民が訪れる中、多くの車両が行き交う(京都府大山崎町)

小泉さんが亡くなった事故現場の阪急大山崎駅前。朝は通勤や通学の市民が訪れる中、多くの車両が行き交う(京都府大山崎町)

 今年7月に交通事故で亡くなった京都府の元大山崎町議小泉満さんの知人が、行政による啓発活動がその後も同じ現場で続けられていることに疑問を感じている。一定の交通量がある中、抜本的な対策が取られておらず、「彼の命が生かされていない。悲劇を繰り返さないで」としている。

 事故は7月1日午前7時50分ごろ、大山崎町の阪急大山崎駅前で起きた。小泉さんは町や保護司会などが主催する「社会を明るくする運動」に保護司として参加。活動中に乗用車にはねられ、亡くなった。知人によると、小泉さんは議員の仕事を離れ、「これからはボランティアとして大山崎のために一生懸命頑張るわ」と話していた直後だったという。
 翌月や今月4日にも同様の時刻に同じ現場で、行政が別の啓発活動を行っている。通勤や通学で駅を利用する人が多く、車の通行量も一定ある。小泉さんと小学校時代の同級生で友人だった中田貞之さん(72)=大山崎町=は「抜本的な対策が取られず、危険なまま。彼が犠牲になったことが生かされていない」と疑問視する。
 活動場所の決定について、町はいずれも府と協議しており、「狭い町域で、ほかに有効な場所がない。参加者に事故があったことを伝え、注意喚起をした」と説明する。向日町署によると、現場はゆるやかなカーブで、歩道の上に高架があるために信号機は設置できない。町は交通安全を呼び掛けるステッカーを11月に電柱へ設置した、としている。
 中田さんによると、小泉さんは、住民の安全や省エネにつながるとして発光ダイオード(LED)を街灯に採用するように町へ訴え、実現させた。「夜でも明るい街灯の下を歩くと、あいつは町のためにええことをしてくれたなと思い出します」と中田さんは振り返る。行政が具体的な再発防止策を講じることを強く願い、「『自分と同じような事故が二度と起きないようにしてくれ』と彼は言っているはずです」と訴えた。