来年2月の京都市長選を前に、閉校した小中学校の跡地活用にあらためて注目が集まっている。まとまった土地が少ない中心部で、貴重な市有地をどう活用するかは、都市の将来を大きく左右するからだ。市が民間活用を導入した後、ホテルを含む施設計画が相次いだが、先月にはオフィス確保に活用する方向に転じた。時代の変化に合わせた対応が問われる。

 市は昨年6月、市中心部のある学校跡地で保育園や高齢者福祉施設に限定して事業者を公募したが、応募はゼロだった。地元の自治連合会長の男性は「市が提示した借地料が高く、福祉系の施設では採算が合わなかったようだ」と振り返る。
 1年以上が経過したこの秋、会長宅を市の跡地活用の担当者2人が訪問した。「跡地にホテルを建てたいと提案している事業者がいる」。活用案が書かれた資料を示したという。
 その後、門川大作市長は11月20日の記者会見で地域と調和しないホテルは「お断りする」と宣言した。会長は「おそらくホテルの案はなくなっただろう。ホテルを求めている訳ではないが、旧校舎は老朽化するばかり。早く話がまとまってほしいのだが…」と先行きを不安視する。
 市が跡地活用を進めている場所のうち、使途が正式に決まっていないのは12カ所。他にも閉校・休校している学校は元久多小(左京区)や元周山小(右京区)など山間部を中心に22カ所ある。学校跡地は人口減少で増える見通しだが、周辺部では一層活用は難しくなる。