「グッドネイチャーステーション」のホテルに泊まれる京都高島屋の福袋。「コト消費」の継続か脱却かで各店の戦略が分かれる(京都市下京区)

「グッドネイチャーステーション」のホテルに泊まれる京都高島屋の福袋。「コト消費」の継続か脱却かで各店の戦略が分かれる(京都市下京区)

 京都市内の百貨店で、来年の初売りの目玉となる福袋の準備が本格化している。八ッ橋など和菓子の詰め合わせや紳士用品セット、来年にちなんで2020万円に価格設定した純金製の酒器・茶器セットなど多彩な商品を各店が売り出す。近年は貴重な体験を提供する「コト消費」の福袋が注目を集めるが、今年はコト消費企画の継続か脱却かで各店の判断が分かれた。

 「普段はできない体験とともに、お客さまに記憶に残る思い出も提供する。今回もコト消費を前面に打ち出す」と京都高島屋(下京区)の担当者は意気込む。
 同店の南側に今月開業した京阪グループの複合商業施設「グッドネイチャーステーション」のスイートルーム宿泊にヨガ体験などを加えた1泊2日のおもてなしプランを3組6人限りの抽選で販売。また、今年4月の新元号発表時にお披露目された額縁入りの「令和」の文字を揮毫(きごう)した書家茂住菁邨(せいそん)さんが、希望する文字を書いて額装するサービスを販売するなど、時流を捉えたコト消費の福袋をそろえた。
 それらに対し、ジェイアール京都伊勢丹(同区)は、コト消費を大幅に減らして迎え撃つ。結婚式プランや京都鉄道博物館の特別観覧ツアーなど約10種をそろえた前回と打って変わり、改装オープンした食品や婦人服フロアなどの商品を詰めた福袋を多く並べる。
 「特定少数のお客さまに響くより、多くの人にとって買いやすい品ぞろえを重視した」と同店担当者。JR京都駅にある「地の利」を生かし、コト消費からの揺り戻しで多くの駅利用者へのアピールを強める戦略だ。10月からの消費税増税で消費者の購買意欲が冷え込んだことも、堅実路線を後押ししている。
 「京都推し」の動きが目立つのは、大丸京都店(同区)。漫画家・イラストレーターわたせせいぞうさんの画業45年を記念した企画展を来年1月に開くのに合わせ、京都のまちなみを背景にした新作イラストにお客さんを入れて描いてくれるサービスを抽選で提供。また、地元の竹中木版(同区)の5代目摺師、竹中健司さんによる歌川広重の復刻木版画順序摺りセットと浮世絵セミナーなども用意し、新年に備える。