村田諒太(2017年撮影)

村田諒太(2017年撮影)

 ボクシングトリプル世界戦は23日、横浜アリーナで行われ、2012年ロンドン五輪金メダリストで世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者の村田諒太(帝拳、南京都高-東洋大出)が同級8位スティーブン・バトラー(カナダ)を5回2分45秒、TKOで下し、7月の王座復帰後の初防衛を果たした。戦績は村田が18戦16勝(13KO)2敗、バトラーは31戦28勝(24KO)2敗1分け。

 右連打から強烈な左フックをあごに命中させ、24歳の挑戦者をリングに沈めた。5回TKO勝ち。両手を挙げ、珍しく軽やかなステップを踏んで喜んだ村田。「控室でのアップの時から調子が良かった。いいところを見せたいという思いがあった」と完勝を振り返った。
 バトラーは過去のKO率が8割に達し、世界ボクシング機構(WBO)のランキング1位にも名を連ねた実力者。村田は「思ったよりもパンチがあった。ジャブが硬くて右ストレートも強かった」。鉄壁のガードで被弾を抑えたが、試合後は左目付近が赤く腫れていた。
 手応えをつかんだのは3回から。じわじわと前進して相手に圧力を掛ける自慢のスタイルが、バトラーのスタミナを奪っていった。村田は「ボクシングの根本としてプレッシャーをかけられ続けると疲れる」と冷静に判断。右ストレートの連打で畳み掛けて相手のガードを下げ、5回のフィニッシュにつなげた。
 ことし1年を「激動の年だった」と振り返る。7月にロブ・ブラント(米国)との再戦を2回TKOで制して王座を奪回。世界の猛者が集まるミドル級で2度チャンピオンとなり、通算2度目の防衛に成功した。
 33歳になっても衰えは感じられず、ビッグマッチへの期待が膨らむ。この日の相手が決して物足りなかったわけではないが、「リアルな相手と戦っていきたい」と語った。目指しているのは「ボクサーの中のトップオブトップ」。ボクシングファンが心待ちにするような世紀の一戦へ、着実に一歩を進めた。