2019年も残すところあと1週間あまりとなりました。元号が令和となり、喜ばしい出来事があった反面、自然災害や凶悪な事件、悲惨な交通事故なども印象に残ります。京都でも、この1年さまざまな出来事がありました。歳末恒例の京都新聞社が選んだ「10大ニュース」で振り返ります。

1.京アニ放火 36人死亡

放火され、煙を上げる「京都アニメーション」第1スタジオ (7月18日午前11時36分、京都市伏見区)=ヘリから

 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオで7月18日午前10時半ごろ、男がガソリンをまいて放火し、従業員36人が死亡、33人が重軽傷を負った。火災では平成以降で最悪の大惨事となった。

 「けいおん!」「響け!ユーフォニアム」などを手がけた京アニは高品質な作品づくりが特長で、事件では監督を含む大勢のクリエイターが犠牲となった。海外からも悼む声が相次ぎ、遺族や被害者向けの義援金は32億円に達した。

 放火したとされる青葉真司容疑者(41)=殺人、放火などの疑いで逮捕状=も重いやけどを負い、治療を受けている。病院での京都府警の任意聴取に「小説を盗まれたから火を付けた」「多くの人が働く第1スタジオを狙った」などと話している。府警は容体の回復を待って逮捕する方針。

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2.吉野彰氏 ノーベル化学賞

ノーベル化学賞のメダルと賞状を授与される吉野氏(左)=12月10日、スウェーデン・ストックホルム

 今年のノーベル化学賞を、コバルト酸リチウムを使って高性能のリチウムイオン電池を開発した京都大工学部出身で旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71)が受賞した。12月10日にスウェーデン・ストックホルムであった授賞式に出席し、メダルと賞状を授与された。日本のノーベル賞受賞は27人目、京都ゆかりの受賞者は15人になった。

 リチウムイオン電池は携帯電話やノートパソコンのバッテリーなどIT社会に不可欠な電源となり、自動車にも利用が拡大。太陽光や風力で発電したエネルギーを蓄積でき、地球温暖化を進める化石燃料の浪費から脱却する技術であることも評価された。

 授賞式から一夜明けた記者会見で「最高の一日だった。私の言葉の一つ一つが重みを持ってくる」と語った。今後は環境問題や大学教育などで発信していく考えを示した。

3.梅原猛氏が死去

多くの研究者が参列した梅原猛氏の「お別れの会」(4月21日、京都市下京区)

 「梅原日本学」と呼ばれる独創的な世界を切り開いた哲学者の梅原猛氏が1月12日、93歳で亡くなった。

 仙台市出身の梅原氏は西田幾多郎ら京都学派の哲学者に憧れ、京都大に入学。西洋哲学から出発し、日本の歴史文化研究へ向かった。初の著作「地獄の思想」がベストセラーに。「隠された十字架 法隆寺論」と「水底の歌」「神々の流竄(るざん)」の古代3部作は、独創的な内容で反響を呼んだ。

 立命館大教授や京都市立芸術大教授を経て1974年、同大学学長に就任。大学の移転に力を注いだ。

 87年には創設に尽力した「国際日本文化研究センター」(京都市西京区)の初代所長に就任した。

 「お別れの会」が4月に京都市内で開かれ、日文研の小松和彦所長らが「破格の人」をしのんだ。一般開放された献花には300人を超えるファンが訪れ、人気をうかがわせた。