一年を締めくくる「感謝の鐘」として復活した半鐘(長岡京市井ノ内・浄光寺)

一年を締めくくる「感謝の鐘」として復活した半鐘(長岡京市井ノ内・浄光寺)

 京都府長岡京市井ノ内の浄光寺に寄進され、保管されていた江戸時代中期の半鐘が、令和の時代に新たな息を吹き返すことになった。檀家総代らの提案で半鐘専用の台座を設け、本堂につり下げられた。大みそかの31日に公開され、「感謝の鐘」と名付けて地域住民らについてもらい、復活の音色を響かせる。

 半鐘は縦50センチ、直径30センチ、重さ約40キロ。側面に刻まれた文字から1692(元禄(げんろく)5)年に鋳造され、地元の井内勘兵衛が寺に寄付した。火事の発生や災害の危険など地域の緊急事態をすぐに住民に知らせるため打ち鳴らされたとされる。
 森田隆章住職(34)が同寺に入った2013年、本堂の外壁につるしていた半鐘とは別に、一回り大きな半鐘が須弥(しゅみ)壇の下に保管されているのに気づいた。「この半鐘は大事を知らせ地域を見守ってきたはず。何かに生かせないか」と思い悩んでいたという。
 森田住職が半鐘の活用法を檀家総代らに相談したところ、「年末の参拝で、子どもや高齢者らについてもらえばいい」とアドバイスを受けた。「半鐘を鳴らして感謝の気持ちで1年を締めくくる。年末の恒例にしてほしい」と発起して、専用台座を製作した。
 市教育委員会生涯学習課文化財係が調べた記録によると、本堂の外壁の小さい半鐘は1687(貞享(じょうきょう)4)年に鋳造され、1878年に浄光寺と統合した地蔵院から受け継いだ。長年保存されていた一回り大きな半鐘と同じ製造者で、集落内の両寺は近い存在にあったという。橋本貴明主査は「地域の方々が親しめるよう活用することに意義がある」と話す。
 半鐘をつく感謝の鐘は31日午後3~5時。併せて除夜の鐘は午後11時45分から。