京都御所紫宸殿を彩った障壁画「賢聖障子」。原本9面が外部で展示されるのは初めて(京都市東山区・京都国立博物館)

京都御所紫宸殿を彩った障壁画「賢聖障子」。原本9面が外部で展示されるのは初めて(京都市東山区・京都国立博物館)

 江戸時代から昭和の天皇即位といった重要な儀式を彩った京都御所(京都市上京区)の障壁画「賢聖障子(けんじょうのしょうじ)」が、東山区の京都国立博物館で特別展示されている。最も格式の高い紫宸殿(ししんでん)の障壁画で、全9面が外部で公開されるのは初めて。平安朝の画風を目指して江戸後期に描かれた逸品を披露し、新春をことほぐ。

 賢聖障子は、徳のある君主には良い家臣が集まるという儒教思想に基づき、平安期から内裏で描かれた。京都御所では1792年の絵画が現存する。かつては紫宸殿で玉座「高御座(たかみくら)」の背後にあり、現在は模写が取り付けられている。
 障壁画は幕府御用絵師の住吉広行が仕上げ、平安朝の古式を再現するため、やまと絵の住吉派らしい筆致や、画家の個性を抑えたのが特徴。1面は高さ2・6メートル、幅2・5メートルに及ぶ。中央に霊獣の獅子と狛(こま)犬、吉祥文を刻む負文亀(ふぶんき)を配した上、太公望や諸葛亮といった中国・殷(いん)代から唐代にかけての賢人32人が左右の壁画にずらりと並ぶ。
 京博の福士雄也学芸員(近世絵画)は「下絵を描いた狩野派の絵師が亡くなると、住吉派が引き継いで仕上げた特殊な経緯があり、朝廷の権威を示せるよう流派や絵師の個性が出ないようにしている。原本全てがそろう機会はほぼない中、品格漂う逸品に触れてほしい」と話している。2月2日まで。有料。