右京署の玄関に設置された大だこを見上げる椿原さん。地域の安全を願って長年手作りしてきた(京都市右京区)

右京署の玄関に設置された大だこを見上げる椿原さん。地域の安全を願って長年手作りしてきた(京都市右京区)

 年末年始に防犯や交通安全を呼び掛ける大だこが、今年も京都府警右京署の玄関に設置された。地域の風物詩として約30年間、地元住民に親しまれてきたが、製作者の男性が高齢となり、今回を最後に製作から引くことになった。男性は、最後に作った自慢の大だこを前に「よくやりきったという気持ち」とほほえむ。

 右京防犯推進委員連絡協議会長で、染織職人の椿原正人さん(76)=京都市右京区。「24時間、地域を見守る警察官に感謝の気持ちを伝えたい」との思いから、約30年前に自宅近くの交番にたこをプレゼントしたのが始まりで、以来、右京署に大だこを贈り続けてきた。
 干支(えと)や府警のマスコットキャラクターなど毎年絵柄を変えながら、交通事故やひったくり、特殊詐欺被害などに遭わないよう注意を呼び掛けてきた。住民にも好評で、迫力ある大だこを一目見ようと多くの人が足を運ぶようになった。だが、大だこ作りは、完成まで1カ月以上がかかるなど体力を要する作業。「年を重ねるごとに負担が増し、今回で最後にしようと決めた」(椿原さん)。
 今年の大だこは縦9メートル、横6メートルの布に、源氏の武将那須与一が扇の的に向けて弓を引く姿を描いた。「新時代 みんなで守る右京の安全」のメッセージを添え、「力強い意思で自分たちのまちを安全にしよう」という願いを込めた。
 椿原さんは「犯罪のない右京にしたい思いで長年、作り続けてきた。たこを見た人たちが防犯意識を少しでも持ってくれたらうれしい」と話している。