京セラが開発した小型のIoTユニット。各種センサーやアンテナを搭載し、企業のIoT導入を支援する(京都市伏見区)

京セラが開発した小型のIoTユニット。各種センサーやアンテナを搭載し、企業のIoT導入を支援する(京都市伏見区)

 京セラは、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」事業を強化する。温度や湿度、位置情報などを収集できる自社開発の小型機器を土台に、データの分析や診断サービスも総合的に手掛けるビジネスに舵(かじ)を切る。近くプロジェクトチーム(PT)を発足し、製造現場のほかに流通や医療など多様な業界のIoT化を支援する体制を整える。

 さまざまな情報を集めてインターネット上で処理するIoTは、センサーなど末端機器の設置から通信環境の整備、データ解析・活用まで領域が広い。京セラは、通信機器やネットワーク構築、情報を可視化するソフトウエアをグループでカバーでき、新たにデータ活用にも手を伸ばすことでIoTのソリューション(課題解決)ビジネスを展開できると判断した。

 現在、横浜市を本拠とする通信機器事業本部を核に、社内を横断するPTの立ち上げ準備を進めている。協業や提携も積極化し、外部の知見も取り込む方針だ。

 末端機器は、温度や湿度、加速度などを計測できるセンサーやアンテナ、電池を搭載した今月発売の小型IoTユニットを使う。ものづくり現場の生産性向上を支援するほか、衛星利用測位システム(GPS)を生かし、トラック輸送の効率化やイベント参加者の行動把握といった用途も提案する。

 京セラは2021年3月期にIoT事業の売上高を300億円に拡大する計画。能原隆・通信事業戦略部長は「IoT導入の支援体制を始めから終わりまで整え、食料品やアパレル、医療など幅広い業界にサービスをパッケージで提供したい」と話す。