今季から大叔父の後を継いで船長となった立命館大4年の新田さん(京都府京丹後市丹後町・間人漁港)

今季から大叔父の後を継いで船長となった立命館大4年の新田さん(京都府京丹後市丹後町・間人漁港)

 カニ漁で活気づく京都府京丹後市丹後町の間人漁港で今季、現役大学生の船長が誕生した。立命館大理工学部4年の新田翔平さん(24)。春に急逝した大叔父の後を継ぎ、漁師の道に飛び込んだ。大学で卒業論文を仕上げながら、日々かじを握っている。

■幼少時から手伝い 助言受け、日々経験

 船長となったのは海運丸。祖父の佐々木新一郎さん(78)が船主で、府漁協の丹後支所に所属する。祖父の弟の繁さんが船長を30年ほど務めてきたが、今年5月に胃がんで71歳で亡くなった。体調が急変した3月に新一郎さんから打診があり、新田さんが「ほぼ二つ返事」で船長となることを決意したという。
 新田さんは城陽市で生まれ育ったが、幼少の頃から長期休みには母の実家に帰省し、祖父らを手伝ったり船に乗ったりしていたという。4月には船舶免許を取得し、5月に祖父の元に移住。6月から週に2、3回ほど大学のない日に船の操縦を練習し始めた。
 船長としてのデビューは9月の底引き網漁の解禁。11月にはブランド「間人ガニ」で知られるズワイガニ漁も始まった。日によって異なる風や波、網を落とす位置、網を船で引くスピードなど想像以上に奥が深いという。
 大学は卒論を残すのみで、毎週月曜日に琵琶湖草津キャンパスまで片道2時間半かけて車で通う。最大1泊2日の漁を朝に終えてから大学に向かったこともあるという。
 20~60代の5人の船員や他の船長から助言をもらいながら経験を積む日々といい、新田さんは「船員の生活がかかっているのでプレッシャーがある。他の船長さんと同じくらいの漁ができるように早くなりたい」と話す。
 そんな新田さんの姿を、祖父の新一郎さんは「船長は全責任を負う。漁を続けながら責任の重さをだんだんと感じてくるもの。でも、まずは事故を起こさないように安全にやってほしい」と温かく見守っている。