スタッフとの会話や高級感のある雰囲気を楽しむ高齢者ら(京都市中京区・G―BAR)

スタッフとの会話や高級感のある雰囲気を楽しむ高齢者ら(京都市中京区・G―BAR)

 介護が必要な高齢者らに華やかな場でお酒を楽しんでほしいと、京都市の介護事業所が中京区でバリアフリーのバーを営んでいる。介護士のバーテンダーが客の体調や持病を確かめて接客し、車いす対応車での送迎付き。超高齢社会の中、介護業界でもユニークな取り組みで、周囲への配慮から外出を控えていた人たちから好評を得ている。


 店は「G―BAR」。訪問入浴や居宅介護などの福祉事業を展開する株式会社祥(上京区)が7月にオープンした。1階にカラオケ付きのバーカウンター、2階にマージャンも楽しめる宴会場を設ける。
 発案者は長年介護に携わってきた看護師の鰐口(わにぐち)明子さん(52)。家族や他の客に迷惑がかかるからと外食や飲酒を我慢しがちな高齢者に楽しんでほしいと、開業を決意した。祇園のバーで働いた経験がある介護士の長男雄介さん(24)が店長、長女千晴さん(22)がフロアマネジャーとして明るく店を切り盛りする。
 正午から予約制で営業。事前に持病や常用薬、緊急連絡先などを聞き取り、酒は血圧やアルコール摂取量などを確認しつつ提供する。飲み込みやすいようにとろみを付けたり、料理をミキサー食にしたりできるという。黒を基調とした内装やワゴン車での送迎など高級感のある雰囲気作りにもこだわった。
 車いすを使う常連の女性(75)は「若い頃からお酒が好きだけれど今まで行ける店が無かった。若いスタッフや店で知り合った友達との会話が楽しい」と笑顔を見せる。雄介さんは「年齢や体の状態に関わらず、安心してストレスを発散しに来てほしい」と話す。1月3日までと日曜・祝日は休み。予約は075(406)0829。