5大会連続の五輪出場を狙う福士(2019年11月24日、宮城県多賀城市)

5大会連続の五輪出場を狙う福士(2019年11月24日、宮城県多賀城市)

全日本実業団駅伝で好走した小原(2019年11月24日、仙台市)

全日本実業団駅伝で好走した小原(2019年11月24日、仙台市)

 東京五輪マラソン女子代表の最後の1枠をつかむための設定タイムは「2時間22分22秒」。1月の大阪国際女子、3月の名古屋ウィメンズで記録を超えた最速の選手が代表になる。突破者がいない場合は昨年9月の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で3位に入った小原怜(天満屋)に決まる。

 1月26日の大阪国際には5大会連続の五輪を狙う福士加代子(ワコール)、2018年大会を制した松田瑞生(ダイハツ)、小原らがエントリーした。自己ベストは福士が2時間22分17秒、松田は2時間22分23秒。アフリカ勢ら4人が2時間20、21分台だ。世界選手権1万メートル代表の新谷仁美(東京陸協)がペースメーカーで走るなど高速レースへのお膳立ては整っている。
 代表の残り1枠は、日本陸連が世界で戦えるスピードを重視して設定タイムを決めた。MGC出場権を争った対象レースで最高記録だった松田の自己ベストより1秒速いタイムとなった。
 福士はMGCで7位に終わった後、秋の全日本実業団駅伝に向けて気持ちを切り替え、スピードを磨いた。駅伝はエース区間の3区で東京五輪代表の前田穂南(天満屋)や鈴木亜由子(日本郵政グループ)らと競い、区間6位。物足りなさをのぞかせつつも「終盤の走りの感覚は久しぶりによかった。マラソンにつなげられれば」と前向きに語った。
 ワコールの永山忠幸監督は「ペースメーカーが離れる30キロ以降がポイントになる。30キロ以降も選手と競り合うことでタイムを上げたい」とレースを見据える。さらに「2時間21分30秒を狙う状態をつくりたい。今までで一番厳しい練習になる」と覚悟を示した。
 MGCで優勝候補の一角だった松田は序盤で遅れて4位。直後は精神的に落ち込んだが、「日本記録(2時間19分12秒)を目指したい」と巻き返しを誓う。小原は全日本実業団駅伝アンカーで区間2位と好走した。武冨豊監督は「堂々と胸を張って代表に選ばれるレースをしてほしい」と大阪での奮起を促す。
 MGC6位だった22歳の一山麻緒(ワコール)は、3月8日の名古屋ウィメンズを視野に入れる。昨年12月に1万メートルで31分34秒56と自己ベストを更新。ハーフマラソンで日本歴代8位の1時間8分49秒の自己記録を持ち、「スピードを生かして走りたい」と意欲を見せる。永山監督は「一山は勝ちに飢えている。大阪で福士が2時間22分22秒を超え、一山がその記録をさらに目指す展開になれば」と話す。

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 東京五輪イヤーの2020年が幕を開けた。日本女子中長距離の復活はなるか。第38回全国女子駅伝を前に、東京五輪のマラソン代表に決まった2人をはじめ、残る1人の枠を狙うトップ選手、若手が台頭するトラック代表争いを追った。