全国女子駅伝について語る野口みずきさん

全国女子駅伝について語る野口みずきさん

 皇后杯第38回全国都道府県対抗女子駅伝(日本陸連主催、京都新聞、NHK共催、村田機械協賛)が12日に実施される。東京五輪が開催される2020年の幕開けを飾る今大会は、マラソン代表の前田穂南(天満屋)をはじめ、トラック代表を目指すスピードランナーが出場する。24年パリ五輪を視野に入れる若手も都大路を走る。04年アテネ五輪マラソン金メダルの野口みずきさん(41)に全国女子駅伝の思い出や選手への期待を聞いた。 

 全国女子駅伝で一番覚えているのは最後に走った26回大会(2008年)。アンカーでたすきをもらって紫明通に入ると、沿道で応援してくれる人たちがトンネルみたいな感じで並んで、言葉にできないくらい大きな声援でした。北京五輪代表にほぼ決まっていて、注目されたのも大きかったと思います。
 19回大会(01年)も忘れられない。足底筋膜炎でウオーミングアップもできないくらい痛かった。でも、たすきを受け取ったら何とか走れ、区間3位で8人抜いた。みんなが運んだたすきの重みで「何としてでも」という責任感が湧いたのかなと思います。
 高校生の時は川上優子さんや、年齢が近くて日本のトップで走っていた千葉真子さんを間近で見られ、わくわくしましたね。オーラが全然違う感じがした。アテネ五輪金メダルの後の26回大会は、私が中高生から黄色い声援を受けた。高校では練習するのも精いっぱいだったのに、「自分がそういう目で見られるまで成長したんだ」と思えました。
 東京五輪の代表選手は、過度な重圧を感じずに、わくわくする気持ちで平常心で臨んでほしい。わくわくすることが大事ですね。私はアテネ五輪は早く走りたくて仕方なかった。逆に北京五輪は平常心ではなく、自分であおって、ぴりぴりしてしまったんです。
 今の選手はレースで思い切った走りがあまり見られなくて「1位を目指して走ってるんじゃないの?」と思ってしまう。頭で考えて走るより、思い切りの良さが大切。自分がレースを動かしていく気持ちがないと絶対に勝てない。もっと動物的な感じで走った方がいい。
 私は中高生の時から大きな大会でも必ず一度は先頭を走った。もちろん強い選手に抜かれるけど、後悔は全然なく、ある程度、先頭で走れたことに誇りを持っていました。この経験がその後の積極的なレース運びに生きたと思う。先頭を走って損することはないですよ。
 東京五輪イヤーの全国女子駅伝は、びっくりするタイムで走るような積極的な選手が出てきてほしいですね。マラソン代表の前田穂南選手が出場するのは楽しみです。前田選手の走りを見た中高生たちが、その後に続く五輪を目指してくれるはず。全国女子駅伝が日本女子中長距離の未来をつないでいく大会であってほしいと思います。