京都議定書に代わる地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」が今年、本格始動する。

 今世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指す。

 温暖化の影響は台風や豪雨、干ばつの増加など、すでに現実の脅威となって現れている。

 「もし本当に状況を理解し、それでも座視し続けているとしたなら、あなたたちは悪だからだ」

 世界に広がる若者の抗議活動の先駆けとなったグレタ・トゥンベリさんが、昨年9月の国連「気候行動サミット」で各国の指導者に投げかけた言葉だ。

 私たちも座視せず、行動に移さなければならない。便利さを追い求める暮らしに、無理や無駄はないだろうか。

 昨年10月に食品ロス削減推進法が施行された。農林水産省の2016年度推計によると、食べられるのに廃棄された食品は643万トンで、その4割を家庭からの廃棄が占めている。

 小売業界では恵方巻きの大量廃棄が社会問題になったことなどを踏まえ、季節商品を予約制に切り替えたり、消費期限が迫った商品を実質的に値引き販売したりする動きが出ている。

 食べ残しや買いすぎは、廃棄処分に多くのエネルギーが使われるだけでなく、労力や費用もかさむ。必要な分だけ買うなど家庭でも改善できることは多いのではないか。

 日々の買い物で使われるレジ袋も便利ではあるが、マイバッグなどで代替可能だ。

 政府は7月からプラスチック製レジ袋の有料化を義務付ける方針で、業種や事業の規模にかかわらず、レジ袋をもらうには料金がかかるようになる。

 プラスチックは紫外線などで細かく砕け、海の深刻な汚染源となっている。

 欧州連合(EU)などは使い捨てプラスチックの多くを使用禁止にする方針を打ち出している。日本の対策は後手に回っていると言わざるをえない。

 背景には、世界3位のプラスチック生産を支える業界の存在があるとされる。過剰包装を拒否するなど、消費者の「使わせない行動」も重要だろう。

 環境負荷を減らす暮らしの一方で、温暖化がもたらす脅威にも備えなければならない。

 国際機関の集計では、世界に深刻な被害をもたらした自然災害は1970年代までは年100件程度だったが、2000年代以降は400件を超える年が目立っている。

 国は15年の水防法改正で「千年に1度レベル」の雨量を想定した洪水ハザードマップの作成を義務付けたが、昨年3月末時点で公表を終えているのは、対象市区町村の33%にとどまる。

 「想定外」が常態化していることを踏まえ、対策を急がねばならない。

 頭では分かっていても、つい便利なほうへ流される。だが、このままでは地球は着実に病んでいく。多少不便でも環境負荷が少ない道を取る。そんな行動へ転換する年にしたい。