「五輪イヤー」の今夏、東京の五輪選手村を自動運転の20人乗り電気自動車が巡回する。お台場の公道では一般の人が自動運転車に同乗できる実験が行われる。自動運転の実力が広く示される節目の年になりそうだ▼これらを試行するトヨタ自動車の豊田章男社長は「1500万頭の馬」の逸話を講演やCMで取り上げている。100年前、米国では馬が移動や輸送手段として重宝された。それが自動車が大量生産されて以降、約20年で車に変わったという▼だが、競走馬や趣味の馬は残った。従来の自動車も運転が楽しいものは残るとの持論だ。「100年に1度の大変革期」の業界を象徴している▼自動運転や電動化など「CASE」と呼ばれる次世代技術が求められており、周辺の業界にビジネスチャンスが広がっている。京都にはモーターや電池、電子部品に強い企業が多い▼一方、今年の景気を厳しくみる経営者は少なくない。帝国データバンクによると「悪化」局面と見込む企業は37・2%。「回復」は6・8%で「踊り場」は32・8%だった。「五輪ロス」を織り込み済みなのだろう▼昨日は多くの企業で仕事始め。どの業界も生き馬の目を抜く変革が求められているが、そう訓示されても縮こまってしまう。まずは暖機運転で足元の仕事を着実に。