京都市長選(1月19日告示、2月2日投開票)を前に、京都新聞社は独自に主な立候補予定者による討論会を開き、現職の門川大作氏(69)=公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連推薦、弁護士の福山和人氏(58)=共産党、れいわ新選組推薦、市議の村山祥栄氏(41)の3人が、争点となる課題を巡り議論を交わした。テーマ別に4回に分けて紹介する。=敬称略

まちづくり

京都市政の課題を巡り討論した(左から)福山氏、村山氏、門川氏=京都市中京区・京都新聞社

-人口減少時代のまちづくりの方向性が問われている。景観政策は規制と緩和の調和が課題だ。

 村山 京都は大学生の数が多い特殊な事情があり、京都に残ってくれれば人口は増える。若い人が働き続けられる、住み続けられる環境の整備が最優先になる。

 市の景観政策は70点ぐらい。12年前は規制の網掛けをしないといけなかったのも事実で評価できる。ただ、細かい部分が弱い。らくなん進都(高度集積地区)の規制緩和はいいと思うが、街中の裏通りの高さを緩和してもいい。コインパーキングが山盛りある街中はおかしい。景観の邪魔にならない範囲で進めたい。

 京都駅前という希少性の高い土地は市立芸大ではなく、オフィスを優先的に持ってくる再開発をすべきだ。若い人たちが働きたいという企業を京都に引っ張ってくる必要がある。

 門川 戦後、景観論争が京都の最大のテーマだった。国に対し、景観法の制定を求め、15年前にできた。10年間は絶対、この景観政策が変わることはいけないと、理念を守ってきた。景観を守り、産業、文化が生き生きしなければならない。

 伏見区竹田や山科区、南区久世の工業団地などは地域ごとにビジョンを明確にし、規制緩和も検討する。オフィスや若い人の住宅が足りないという課題にも取り組む。電線の地中化や京町家の保全など住民主体のボトムアップの新たな景観政策を行いたい。

 福山 少子化対策を飛躍的に進める。京都に引っ越すと、中学校給食が充実していないと驚く人がいる。京都で子育てすることが得と思ってもらわないと、人口減少に歯止めがかからない。京都の企業は99%が中小企業であり、人手不足だ。学生が京都の中小企業に就職してくれる環境をつくるべき。一風変わったことをしている中小企業だけの支援ではなく、あまねく中小企業が頑張れる施策に抜本的に変えていく。

 街中に住めないのは地価の高騰が原因。規制を緩めると、投機マネーがさらに入り、価格の高止まりが続く。弁護士として相続問題も扱うが、中国系企業が驚くような価格で買いに来る。規制緩和は愚の骨頂。景観政策は百年の大計だ。10年で変わっていいのか。

 村山 規制緩和で一定、建物が建つ。マンション価格は下がると思う。

 門川 景観政策は百年の計で評価は50年、100年後に出る。景観政策を変えますとは言っていない。

 福山 特例を乱発している。

 門川 景観政策で京都が美しくなってきたと言ってもらっている。看板も減り、市民の協力に感謝の思いで一杯だ。

防災

-自然災害が相次いでいる。市民の命と財産をどう守るか。

 門川 異常気象が毎年起き、気候の危機だ。この4年間で1800億円を投じ、浸水対策や橋の耐震化、福祉施設の耐震化の助成など、スピード感を持って進めてきた。

 昨年は自然災害に見舞われ、84項目の改善策をとりまとめた。危機管理センターも創設し、雨水幹線も整備して地下に学校プール1200個分の水をためられる。地域力を生かし、ハード、ソフト両面からの取り組みが大切だ。

 福山 真っ先に言いたいのは原発問題。若狭の原発に何かあれば、京都は壊滅すると思う。再稼働反対と廃炉をきっぱりと言うべきだ。防災では、地域の橋や道路、危険な崖などを計画的に整備していく。地元業者に優先発注し、地域経済の活性化と両立させる。

 ホテルや旅館とは協定を結んで、高齢者や障害者、子どもを持つ家族など配慮が必要な人が避難できる取り組みを進めたい。

 村山 ハード整備は新しいことをするのではなく、橋とかの耐震化にまず予算を割く。避難所の数が足りていない。体育館だけでなく、限りある資源を全部使い、みんなで守りましょうということ。

 ペット避難所も後回しになっている。ペットの避難ができないと、飼い主も避難しないことになる。備蓄品や簡易トイレなども十分に整備されておらず、いざ起きたら、大変なことになる。

 門川 自助、共助、公助。3分は自分の命、30分は家族や地域、3時間はみんなで守ろう。行政依存では緊急のときに対応できないので、地域力を生かしていくと同時に適切に行政がリーダーシップを発揮する関係を築きたい。

 村山 自主防災会の副会長をしているが、地域の障害者や高齢者などを事前に地元が把握しておかないと、(要配慮者の)名簿をいきなり渡されても、どこにいるか分からない。

 福山 自主防災会とか自治連へのお任せではだめ。市が担当職員を置き、医療や介護、福祉の日常のネットワークが減災システムに役立つ体制を事前に作っておくべきだ。