京都市長選(1月19日告示、2月2日投開票)を前に、京都新聞社は独自に主な立候補予定者による討論会を開き、現職の門川大作氏(69)=公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連推薦、弁護士の福山和人氏(58)=共産党、れいわ新選組推薦、市議の村山祥栄氏(41)の3人が、争点となる課題を巡り議論を交わした。テーマ別に4回に分けて紹介する。=敬称略

行財政改革

京都市政への関心や財政を巡り討論する(右から)門川氏、村山氏、福山氏=京都市中京区・京都新聞社

 -厳しい京都市の財政状況をどう乗り切っていくか。

 福山和人 村山さんが「北海道夕張市に次いで破綻寸前」と言っているのは、言い過ぎと思う。市の財政はいいとは思わないが、オオカミ少年的な言い方はミスリードになる。

 この10年間で法人市民税収入は減っている。中小企業対策を行い、市民の懐を暖めて市税収入に返ってくるようにしたい。市立芸大の移転、市中央卸売市場の整備をどうするか。細かな部分も含め、公共事業の精査をすべきだ。

 村山祥栄 オオカミ少年というのは言い過ぎだ。財政が悪いのは悪い。覚悟を示す必要があり、市長給与を50%カットする。嫌われ者に徹し、人件費の見直しも行いたい。

 一番大事なことは、予算の編成を考え直すことだ。来年度も300億円が足りない。収入の範囲内で予算を組んで、プライマリーバランスの均衡を保ちたい。外郭団体の統廃合、交通局の民営化も進める。配りっぱなしの補助金はやめ、AI(人工知能)やデジタル化でサービスを高めながら財政再建できる。市も財政再建と言うが、なぜ職員給与をアップさせたのか。

 門川大作 財政は厳しく、大きなテーマだ。10年のスパンで言うと、306億円の赤字から、200億円を超える黒字になった。とりわけ、市営地下鉄と市バスは最悪の状況から改善できた。市債残高も、この10年で17%、3200億円減らした。市長就任以降、3330人の職員を削減した。

 さらにAIなどの最先端の機器を生かし、国内で最も効果的、効率的な行政にする。ただ、税収が増えても、国の制度で地方交付税が減らされる。国に対し、地方が成り立つ財政制度を要望していく。

 福山 地方交付税を増やせというのは当然だ。行政改革や民営化は是々非々ですべきだ。やりすぎると、市バスのように直営に戻して多大な費用が生じることになる。

 門川 民間が一部の路線で撤退しても、市でできる。膨大なお金がかかっているわけではない。

 村山 門川さんは交通局の改革を行った。だから次は私が交通局を民営化したいと言える。評価しているが、改革はまだ足りない。これまでの概念を捨て、新しい発想ですべきだ。

 福山 小学校の跡地もホテルに売るより、空き教室があるなら高齢者が集まる場所、文化的な活動の場所でもいい。お金をかけなくてもできる。

 門川 さらに改革プランを練っている。宿泊税に次ぐ新たな収入として、観光客に適切な負担をしてもらう取り組みを考えている。

選挙への関心

 

 -前回の京都市長選の投票率は35・68%。今回は市長選では初めて10代が投票する。候補者として関心をどう高めるか。

 村山 投票する人にフォーカスした政治が行われるのは世の常。若い人たちには選挙にいかないと損をしますよと言いたい。一方で、候補者も若者に政治に関心を持ってもらうような論争をしなければならない。

 先日、公開討論会をやりませんかと福山さんから提案を受けた。せっかくなら3人で若者向けの討論会をしませんか。選管主催や大学共催でもいい。そういうことをまちぐるみでやっていければ。

 門川 若者が選挙に関心がないのは民主主義の危機だ。学校教育や生涯学習の場を通じて、市政参加の一番の基本が選挙だということを学んでいただきたい。

 ただ、ワンフレーズで投票率がぱっと上がる選挙がこれまでにもあったが、結果は検証されていない。これが政治不信を高めてきた。ポピュリズムがいま世界で問題になっている中、「きれいごとを言わない」という覚悟と責任のある行動が大事だ。

 福山 公開討論会はぜひやりたい。ただ、来るなら来いではなく、アウトリーチしていかないとそうした人たちの関心は高まらない。スウェーデンでは13歳ぐらいから模擬投票をし、若者の政治参加を系統的に促している。20代の大臣が出てくるのもそうした取り組みの積み重ねだ。

 高校生が政治談義するだけで文部科学大臣が文句を言う風土では若者の政治的な関心は高まらない。意見表明し、自分たちで決める経験を積んで初めて政治参加につながる。18歳になっていきなりどうぞと言われても無理だ。