京都市長選(1月19日告示、2月2日投開票)を前に、京都新聞社は独自に主な立候補予定者による討論会を開き、現職の門川大作氏(69)=公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連推薦、弁護士の福山和人氏(58)=共産党、れいわ新選組推薦、市議の村山祥栄氏(41)の3人が、争点となる課題を巡り議論を交わした。テーマ別に4回に分けて紹介する。=敬称略

市長になったら

左から村山祥栄氏、福山和人氏、門川大作氏

 -京都市長になったら、これは取り組みたい、という政策は。

 村山祥栄 ずっと言っているのは「持続可能」ということ。門川さんも持続可能とおっしゃるが、僕は捉え方が少し違う。伝統産業の後継者育成のために補助金を出しているが、そもそもなぜ後継者がいないかと言えば、もうからないから。もうかる仕組みがつくれないところに金を突っ込むのは持続可能ではない。

 一方で子育て支援は、お金を使うこと自体が持続可能性につながる。中学校卒業までの医療費無償化や中学校給食を行い、病児保育は全行政区に設置する。児童虐待対策も徹底的にやりたい。市民提案の予算枠もつくり、リアルに市民参加できる仕組みをつくりたい。

 門川大作 人生100年時代、子どもから高齢者までが地域で命を輝かせられる健康長寿のまちづくりを進める。大事になるのが孤立ゼロ、虐待ゼロだ。

 強い経済も実現する。産学公と連携し、新産業を興す。それが財政健全化につながる。観光課題の解決にも全力投球する。AI(人工知能)やビッグデータ、自動運転など最先端の交通システムを研究し、交通弱者をなくす。河川改修や橋りょう耐震化など安心安全の構築に、京都府、国、経済界、文化団体と連携し、オール京都で取り組む。国での政治対立を京都に持ち込む必要はない。

 福山和人 門川さんが言うオール京都に僕は入っているのかなあ。僕が訴えるのは暮らしの応援、京都の復権、自治の復権の大きく三つ。政治家は選挙前に美辞麗句を並べるが、いくらかけて、どういう道程かを示さないと何も言っていないのと一緒だ。

 子育て応援として、中学校給食を実施し、医療費を中学校卒業まで無料にする。若者の応援として給付制奨学金を創設し、高齢者が安心して住み続けられるよう65~74歳の医療費の窓口負担を2割から1割に軽減する。これらに必要な金は総計70億円。市の一般会計予算約8千億円の1%未満でやれることだ。これを1期目でやり遂げたい。

相手に聞きたい

 -これまでの議論も踏まえ、他の立候補予定者に聞きたいことは。

 門川 福山さんが言っていることを検証したが、(政策の実行には)200億円ほど足らない。いいことばかりおっしゃっているというのが本音だ。村山さんには正確な情報を発信していただきたい。観光客の京都離れが起きていると言うが、それ自体が風評被害を起こしている。全国のマスコミの報道があなたの発信から始まっている。客観的なデータを分析し、批評していただきたい。

 福山 200億ってどういう計算か。市の財政当局に確認して言っている。

 門川 またあらためて。

 福山 責任を持って答えて。僕は全部数字も含めて言っている。

 門川 あまりにも根拠がない。

 福山 抽象的に言われても困る。レッテル貼りだ。内訳を聞いている。

 門川 200億足りない。4年でやろうと思ったらそれぐらいかかる。

 村山 実際、漬物店や八ツ橋店など日本人観光客をターゲットに商売をされている店で如実に売り上げが下がっている。

 福山 僕は北陸新幹線延伸とリニアを誘致するかどうかをそれぞれに聞きたい。北陸新幹線は京都市民にとって経済的な活力になるのか根本的な問題がある。

 村山 北陸新幹線はやめるべき。投下したものへの回収が見合わない。逆にリニアは何があってもやるべき。経済効果が非常に大きい。

 門川 長期的にみて日本海側との交流は非常に大事だ。市民の皆さんができてよかったと実感してもらうものにならないといけない。リニアと北陸新幹線がどう交接するかも含めて研究していくべき。

 村山 僕は経済、門川さんは文化で京都を引っ張ると主張しているが、福山さんは京都を何で引っ張ろうと考えているのか。門川さんは、財政再建のゴールはどこにあると考えているのか。また市職員の報酬アップをしたのはなぜか。

 福山 京都に住んだら得だと思ってもらうための前提として、文化や伝統産業を売りにしていく。また市内で雇用が保障されることも大事だ。言うと、経済と文化の両方だ。

 村山 サービス合戦をすれば財政力のあるところが勝つ。京都市は財政が厳しく、勝ち残れない。

 福山 都市間競争はナンセンスと思う。ただ、あまりにも今は低すぎる。

 門川 京都最大の強みである文化と経済を融合させ、税収増を図る。王道だが、これ一本で財政が健全になるということはない。入洛客に対して新たな負担も求める。歳出削減と民間活力の導入、行財政改革を徹底し、財政健全化に道を開きたい。

 村山 どこを基軸にするのか。(借金返済のための基金の取り崩しなど)特別の財源対策をいつ脱却するのか。

 門川 任期中に特別の財源対策から脱却するのは当然のことだ。