シカに食いちぎられた梅の枝(下)=京都府城陽市市辺

シカに食いちぎられた梅の枝(下)=京都府城陽市市辺

 京都府城陽市の梅農家が深刻化するシカの食害に頭を痛めている。実がなり始める5~6月ごろに出没して若葉を食べるだけでなく、枝を食いちぎるケースもあり、農家は「栽培意欲がうせる」と訴える。

 京都有数の梅どころとして知られる市南東部の青谷地域。親族とともに約1・7ヘクタールで栽培する男性(64)=同市市辺=は「毎年、土壌を改良したり農薬をまいたりと工夫しているのに、枝を折られるのは悔しい」と声を落とした。
 市農政課は、2018年度に市が6次産業化推進に向けて開いた会合で、農家から悩みの声を聞くことが増えたという。昨年12月に市農業委員会が市に提出した意見書も、シカを含む有害鳥獣対策の積極実施を求めた。府山城広域振興局農林水産部は、青谷地域で進んだ開発でシカの動きが変わった可能性を指摘する。
 男性によると、シカはまず葉を食べ、なくなると枝を食いちぎる。ちぎられた枝はそれ以上育たなくなる。枝の皮を剝ぎ取って生育を妨げることもあるといい、男性やほかの2農家は府の補助を活用し、19年度中に高さ2メートルの防護柵を設ける。
 ただ、既に柵を張った梅林でも、シカが柵の間から首を差し入れて葉や枝を食べている場所もあり、抜本的な対策は難しい。市農政課によると、シカが嫌う音波を発して追い払う機器を試験設置した農家もあったが、効果は限定的で、梅林で使うのは難しいという。
 市は現在、地元の猟友会に依頼し、年に2カ月、週1回駆除しているが、20年度は6カ月に増やすことを検討している。農家の依頼がなくても、市が捕獲用のおりを設置することも考えているといい、同課は「なるべくシカの数自体を減らしていきたい」とする。府も今年、防護柵作りの講習会を開くことを検討している。