「チームにいい流れをつくれるように頑張りたい」と語る東京の山口遥選手(10日、京都市下京区)

「チームにいい流れをつくれるように頑張りたい」と語る東京の山口遥選手(10日、京都市下京区)

167センチの長身で力強い走りを見せる東京の山口遥選手(10日、京都市右京区・たけびしスタジアム京都)

167センチの長身で力強い走りを見せる東京の山口遥選手(10日、京都市右京区・たけびしスタジアム京都)

 12日に号砲が鳴る全国女子駅伝に、国内屈指の市民ランナーである山口遥選手(32)が初めて出場する。初優勝を狙う東京の主力だ。今季は二つのマラソンで大会新記録の優勝を飾った。「女子駅伝はずっと夢の舞台だった。この年齢で出られるんだ、と不思議な感じ」と笑顔を浮かべた。

 横浜市出身。新栄高、玉川大で走り続けたが、全国的には無名の存在だった。大学卒業後、東京のランニングクラブ「AC・KITA」に入った。気軽に楽しく走るつもりが、意識の高いチームメートに刺激を受け、ハードな練習を積むようになった。

 午前5時から10キロ走り、家事を終えて午前中に再び20キロ走るメニューを連日こなす。「体幹トレーニングや食事制限は苦手。けがをしないのが強みで、とにかく走って鍛えた」。マラソン大会は精力的に年間8回ほど出場。昨年11月の神戸マラソンは2時間27分39秒で優勝して大会記録と自己ベストを更新し、12月の奈良マラソンでも大会記録を樹立した。

 3年ほど前から、視覚障害者の「ブラインドランナー」の支援活動に加わっている。所属クラブの指導者に誘われ、食事の介助やマラソンの伴走に携わるうち、「パラリンピックを目指している人たちを見て、自分ももっと頑張んなきゃ、と思うようになった」。30歳を過ぎてからも記録を伸ばし続けられた原動力になっている。現在は日本ブラインドマラソン協会の職員を務める。

 今大会、東京のアンカー起用が濃厚なロンドン五輪代表の新谷仁美選手(31)は同学年。「リーダーシップがある」と信頼する大黒柱へ好位でつなぐため、1区を走る予定の山口さんはレースの流れをつくることを意識する。「市民ランナーにも、こんな駅伝を走れる機会がある。夢を届ける走りができたら」と力を込めた。