京都市北区の雲ケ畑地域の谷川で生育しているキブネダイオウ

京都市北区の雲ケ畑地域の谷川で生育しているキブネダイオウ

	雲ケ畑で見つかったキブネダイオウ(2018年5月撮影、雲ケ畑・足谷人と自然の会提供)

雲ケ畑で見つかったキブネダイオウ(2018年5月撮影、雲ケ畑・足谷人と自然の会提供)

 京都市左京区の貴船川水系の水辺に自生し、絶滅の恐れがあるタデ科の多年草「キブネダイオウ」が、鴨川上流の北区雲ケ畑で確認され、市民団体が保全に向けて動きだした。18日に学習交流会を開く予定で一般参加を呼び掛けており、「地域の素晴らしさや、多様性の大切さを考えるきっかけにしてほしい」としている。

 キブネダイオウは京都府レッドデータブックで絶滅寸前種に指定され、国内では貴船川水系のほか、岡山県と広島県でわずかに自生している。草丈1メートルほどに育ち、5月中旬に黄色い小さな花を付ける。外来種との交雑やシカの食害で減少しており、貴船川周辺では2004年に465株自生していたが、2016年には55株にまで激減。現在、研究者や府立植物園、地域住民らが復活に取り組んでいる。
 雲ケ畑地域で発見したのは、長年、同地域で植物の保全活動に取り組んでいる雲ケ畑・足谷人と自然の会運営委員長の西野護さん(73)。18年5月、調査活動中に集落内の鴨川や支流の谷川で約30株を発見した。
 もともと自生していたのか、動物などが運んだのかは不明だが、現在も30株程度が育っているという。
 同会は雲ケ畑地域で地域住民とともに絶滅寸前種で京都府指定希少野生生物の「ベニバナヤマシャクヤク」の保全活動にも取り組んでおり、西野さんは「キブネダイオウも同様に貴重で、地域と協力しながら守っていきたい」としている。
 キブネダイオウに詳しい瀬戸口浩彰京都大大学院教授(生物多様性保全論)は「自生地が新たに見つかり、保全すべき場所が増えたといえる。植物は同じ品種でも育つ場所で発芽のタイミングが異なるなど多様で、地域ごとに守ることが大切だ」としている。
 学習交流会は18日午後1時半から、北区の雲ケ畑小中で。瀬戸口さんや府立植物園職員らを講師に迎え、保全の意義を考える。詳細は同会のホームページで確認できる。