新成人のみなさん、おめでとう。122万人が大人の仲間入りをした。心から歓迎したい。

 「成人の日」に、みなさんが社会の中核を担う十数年後のことを、少し考えてみたい。

 まず、人口減少と少子高齢化がさらに進んでいるはずだ。

 昨年、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は28・4%に達した。一方、昨年生まれた赤ちゃんは86万4千人だった。みなさんより約36万人も少ない。

 2040年には、人口が現在より1割強減り、高齢化率は35%台に上昇する見通しだ。高齢者1人を、働く世代1・5人で支える時代になる。

 そして、みなさん自身が高齢者となる65年には人口は3割減、高齢化率は40%に近づく。

 これまでとは違う、社会の大きな構造変化である。今のままでは、社会保障の担い手である若年層の負担は増すばかりだ。

 現在、高齢者の一部にも社会保障を担う側に回ってもらう改革が議論されている。高齢者の定義も変わっていくだろう。

 英国の組織理論家リンダ・グラットン氏らの著書「LIFE SHIFT(ライフ シフト)」によると、長寿化していく今後の社会では働く期間が長くなり、「若い」「老いている」の概念が変わるという。

 学校→仕事→引退という順番で人生を歩む時代は終わり、生涯に複数のキャリアを持つのが普通になる。人生の選択肢が増える一方、新しい役割に合わせたスキルを身につけるための自己投資も必要になる-と。

 現在の常識にとらわれず、柔軟に人生設計することが重要との思いを強くさせられる。

 社会保障などのセーフティーネット(安全網)をどうつくり直すかも、みなさんがどんなライフスタイルを選ぶかに大きく関係するのだろう。

 みなさんが生きる時代の地球環境の持続性も気がかりだ。

 ここ数年、前例のないような豪雨や干ばつ、高温などの異常気象が世界中で相次ぐ。温暖化の影響が加速しているようだ。

 国連機関は、今世紀末には海面が1メートル強も上昇すると警告する。日本では全国の砂浜の約9割が消失し、東京や大阪の沿岸部が水没するとの予測もある。

 そうした事態にみなさん自身が直面する可能性がある。手をこまねいてはいられない。

 昨年、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさんら多くの若者がデモ行進などで各国政府に実効性ある温暖化対策を求め、大きな注目を集めた。切実感ある訴えに、多くの大人たちが共感したからだろう。

 世の中を動かす力は、未来を担う若い世代にこそある。そんな事実を、改めて教えられた。

 社会制度も地球環境も、大きな曲がり角にある。人生100年時代を迎え、22世紀が人生の視野に入るみなさんの世代には切実な問題のはずだ。

 世の中の変化を見逃さず、おかしいと思った時にはためらわず声を上げる。それが人々の新たな知恵と行動を呼ぶことになる。若い世代の主張が未来へのうねりをつくると信じたい。