住居や宿泊施設の客室内など、プライベートな空間での盗撮行為も取り締まりの対象にする京都府の改正迷惑行為防止条例が、18日に施行される。

 現行の条例では駅や電車内など不特定多数の人が出入りする「公共の場所」での盗撮しか規制できず、プライベート空間は「盲点」と指摘されていた。

 スマートフォンなどの普及で、出入りが制限される学校や職場などでの被害が増えている。規制強化と併せ、盗撮被害の根絶へ議論を加速させる必要があろう。

 改正条例では、住居や客室内のほか、教室や事務所、カラオケボックスやインターネットカフェの個室などでの盗撮が、新たに取り締まりの対象になる。

 府内では2018年に飲食店の店長が店の更衣室にスマホを置いて女性従業員の着替えを撮影する盗撮事件があったが、店舗内を「公共の場所」と解釈することができず、科料など軽微な処分となる軽犯罪法しか適用できなかった。

 条例改正の背景には、撮影された画像や動画がインターネット上に流出する二次被害の懸念がある。盗撮場所が公共の場所であろうと、私的な空間であろうと、画像が拡散する危険性に変わりはない。被害の実態に合わせた規制の強化は時代の流れと言えよう。

 懸念されるのは、規制の強化が恣意(しい)的な取り締まりにつながりはしないかという点だ。

 処罰対象が私的空間にも及び、何が盗撮行為にあたるかの認定は公共の場所以上に難しくなることが予想される。警察にはより慎重な捜査を求めたい。議会も条例の運用状況を定期的にチェックする必要がある。

 盗撮行為の悪質化を受け、多くの都道府県は迷惑防止条例で規制強化に乗り出している。ただ、盗撮の禁止を自治体の条例に委ねている現行制度については検証が必要だろう。

 自治体ごとに規制にばらつきが出れば、被害に遭った地域によって処罰ができないケースも想定される。

 専門家からは、「盗撮罪」を創設するなど、法整備で対応すべきとの意見も出されている。全国一律での取り締まりに向けた議論を進める必要があるのではないか。

 盗撮の被害者は精神的なショックが大きく、被害に気づいても声を上げづらいと指摘されている。被害者救済のあり方についても、有効な対策を早急に検討する必要があろう。