犠牲者を悼むために設けられていた献花台に捧げられたイラスト(京都市伏見区)

犠牲者を悼むために設けられていた献花台に捧げられたイラスト(京都市伏見区)

 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」第1スタジオが放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、死亡した社員の労災が認定され、補償の支給が始まったことが15日、遺族への取材で分かった。

 京アニは昨年9月に被害者説明会を開き、労災手続きなどを伝達していた。遺族らは京アニを通じて補償支給を請求したという。

 京都労働局は京都新聞社の取材に「個人情報なので公表しない」としているが、昨年7月末の会見では「請求があれば速やかに調査する」と話していた。

 死傷者は第1スタジオで業務をしている際に事件に巻き込まれたとみられる。労災は、業務中に死傷し、死傷が業務に起因することが認定要件となる。補償の額は、死傷の原因となった事象の直近3カ月間の平均賃金を基に算出する。

 労災に詳しい京都弁護士会の古川拓弁護士は「業務に内在する危険が現実化したと判断して認定されたと考えられ、妥当だ。ただ、労災による補償には慰謝料分は含まれておらず、あくまで最低限の生活保障にしかならない点は留意しておくべきだ」と話す。

 犯罪被害者を巡っては、地下鉄サリン事件や武富士弘前支店の強盗殺人・放火事件でも労災が認定されている。