災害のたびに被災地の自治体では、復旧や復興を担う人員不足に直面する。これからも超大型台風や豪雨などが予想されるだけに、深刻な問題だ。

 そうした中で一歩前進になるかもしれない。総務省がマンパワーの確保を後押しする。

 全国の自治体から被災地に駆け付け、復旧や復興に中長期に携わる技術系の応援職員の拡充を促す。都道府県など大規模自治体が新規採用すれば、人件費を地方交付税で財政支援するというものだ。

 小さな自治体では、政府の音頭で進められた平成大合併や行財政改革で人員削減が求められ、そのツケが災害対応や復旧対策などに現れている。

 国土交通省によると、市町村の土木関係職員はここ十数年で2割以上減っている。半数の村ではゼロ、町では約6割が5人未満しかいない。

 災害時に派遣される応援職員は、被災地にとって欠かせない戦力だ。東日本大震災では昨年3月末までに延べ9万6千人を超え、昨年の台風15号などでも支援に入っている。

 総務省が被災自治体の要望を聞き、全国市長会などを通じて派遣するが、実は派遣する自治体側も人員に余裕があるわけではない。技術系の人材民間企業でも求めており、募集しても不調が目立つという。

 総務省の狙い通りになるか、都道府県などの意向も踏まえる必要があろう。今後、総務省や全国知事会などが「確保調整本部」を設置、災害発生時に派遣人数などを調整し、通常時は市町村の業務を支援するとしている。

 ただ、応援派遣を自治体だけに委ねるわけにはいくまい。

 国交省の「緊急災害対策派遣隊」は、地方整備局の職員ら約1万3千人を指名し、本年度は13回出動している。ヘリコプターや遠隔操縦装置など機材が全国に配備され、大災害時には集結する。

 こうした派遣隊を拡充した、本格的な防災隊の創設を本気で考える時ではないだろうか。災害に即応し、復旧・復興に継続的に対応していく必要がある。全国知事会が提唱した防災省創設の議論は、復興庁の存続で下火になった感があるが、引き続き検討していいのではないか。

 災害の規模が大きくなり、対応や対策を根本から立て直す必要に迫られている。経験やノウハウを蓄積したマンパワーを、政府が先頭に立って増強していくべきだ。