一年の邪気を払おうと弓を構える田中宮司(京都市北区・上賀茂神社)

一年の邪気を払おうと弓を構える田中宮司(京都市北区・上賀茂神社)

 一年の初めに弓を射て邪気を払う「武射(むしゃ)神事」が16日、京都市北区の上賀茂神社であった。裏に「鬼」と書かれた直径約2メートルの的を神職が射抜き、疫病退散や豊作を願った。

 宮中の行事に由来し、鎌倉時代の記録「賀茂社嘉元年中行事」にも記されるなど古くから伝わる神事で、元旦から続いた正月の行事の締めくくりとなる。
 境内の芝生に射場が設けられ、田中安比呂宮司ら神職が約28メートル離れた的を狙って弓を射た。続いて弓馬術礼法小笠原流近畿菱友(りょうゆう)会の射手が次々と矢を放つ「百手式(ももてしき)」の奉納もあり、直垂(ひたたれ)や水干姿の男女約40人が的を射抜く小気味よい音が境内に響いた。
 終了後、小笠原流31世の小笠原清忠さん(76)は「今年がよい年になるように、お参りに来られた方たちの健康を願って奉納できた」と話した。