6400人以上の命が奪われた阪神・淡路大震災の発生から、きょうで25年になる。

 被害が大きかった神戸市では、震災以降に入庁した市職員が6割近くを占めるようになったという。四半世紀の時の長さを、あらためて思う。

 都市機能の集積地で起きた大震災は、成長と発展を追い求めてきた社会のあり方を問い、避けられぬ災害とどう向き合うかを考える起点になった。

 地震や台風、豪雨災害など甚大な被害をもたらす自然災害は、毎年のように起きている。阪神大震災の経験と教訓は生かされたのか。対策に不備はないか。常に検証し、減災に備える努力を続けなければならない。

 自然の脅威を見せつけた大震災は、一方で、災害に立ち向かい、乗り越えようとする人々の大きな力も呼び起こした。

 被災地には全国から延べ137万人が支援に駆けつけ、「ボランティア元年」と呼ばれた。日本世論調査会が昨年末に行った世論調査では、災害ボランティアへの参加意欲がある人は7割近くに達するなど、市民の意識は高まっている。

 震災を機に住宅の再建に向けて公的支援を求める声が高まり、1998年には「被災者生活再建支援法」も成立した。全壊か大規模半壊した世帯には最大で300万円が支給されるなど、被災者の直接支援に道を開いた。

 だが、近年の災害では、被災地からボランティアが足りないとする声があがるなど、支援する側と求める側のミスマッチも起きている。

 住宅再建では、半壊世帯が支給の対象になっていないなど、被災者の実情を踏まえた支援に課題を残している。

 自然災害の多発を踏まえ、不断の見直しが必要だろう。

 阪神大震災では、政府の対応の遅れが厳しい批判を浴びた。

 首相官邸は被災地の状況を迅速に把握できず、自衛隊の出動要請も遅れた。

 政府は緊急災害対策本部の設置要件を緩和し、知事要請がなくても自衛隊の部隊を派遣できるようにするなど、改善はある程度進んだ。

 だが、復旧・復興を最前線で担う自治体職員が不足するなど、人口減少社会の中での支援に、新たな課題も出ている。

 私たちも災害に備える意識を一段と高めなければならない。阪神の教訓から、自らの問題として災害に向き合えるかが問われる。