タンタンの冒険シリーズは、ベルギーの作家エルジェによるバンド・デシネ(フランスやベルギー産の漫画の通称)作品だ。カラフルな絵柄と魅力的なキャラクター、世界のさまざまな出来事を反映した物語で世界中で愛されてきた。

 世界大戦に揺れた時代から80年代まで、たくさんの物語がエルジェの手によって生み出された。政治的な問題などを入れ込みつつも子どもから大人まで楽しめるタンタンの冒険は、今でも小学校の図書室や町の図書館の児童書の棚で、子どもたちが色とりどりの、それでいて空想の中ではない世界のさまざまな場所を旅する最初の1ページとなっていることだろう。

 ぼくもそんな子どもの一人だった。図書室の隅のミッケやウォーリーを探せなんかが置いてある外国の特別な匂いがするようなコーナー。その中にあった「学校で読んでもいい漫画」としてタンタンと出会ってから、大人になった今でもエルジェの物語に夢中だ。

 いろんな国や文化や街や人がこの世界に存在していて、それは自分たちと同じだったり、違っていたりする。タンタンと一緒に世界中を旅しながら、ぼくたちはいろんなものを見ることができた。