任期満了に伴う京都市長選がきょう告示される。来月2日の投票まで2週間の選挙戦がスタートする。

 選挙の構図は前回とは一変する。過去2回、政党レベルでは「国政与野党相乗り対共産」だった。今回は「3極対決」が軸となる。

 現職の門川大作氏が公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連の推薦で4選を目指す。弁護士で共産党、れいわ新選組推薦の福山和人氏、市議の村山祥栄氏の2新人が挑む見通しだ。

 3期12年の門川市政の評価と今後の市の方向性が争点となる。歴代の京都市長で4選は1人しかいない。一般に多選は批判される傾向にある。

 今後4年間を再び門川氏に委ねるのか、それとも新たなリーダーに託すのか、有権者の選択が問われる。

 気がかりなのは低迷する投票率だ。近年では45・90%だった2000年をピークに、前回は35・68%まで落ち込んだ。

 門川氏が951票差で初当選した08年と今回は似た構図となり、激戦が予想される。

 建設的な議論を展開し、有権者の関心をいかに高めるかも重要なテーマだ。

 市の課題は山積している。厳しい財政をやりくりしつつ、市民生活を支える必要がある。

 だれが当選しても向き合わなくてはならない。分かりやすく、ごまかしのない言葉で語ってほしい。

 市の借金にあたる市債残高は減ったものの、なお1兆6600億円にのぼり、市民1人当たり113万円となる。

 01年に市が宣言した「財政非常事態」は解除されておらず、綱渡りの運営が続く。

 人口千人当たりの職員数は11・3人で、20ある政令指定都市で6番目に多い。予算に占める人件費の割合は政令市で3番目とさらに高くなる。

 引き続き行財政改革は避けられない。一方で行政ニーズは膨らんでいる。

 市の人口は15年の147万人をピークに減り続け、45年には129万人になると予想される。子育て世代の人口流出を食い止めねばならない。

 一部の地域に訪日客が集中し、市民生活に悪影響を及ぼしている「観光公害」も大きな問題に浮上した。

 国内外の多くの人から憧れの目で見られる京都だが、本当に良いまちなのか。岐路に立たされているともいえる。

 他にも自然災害にどう対応するか、地元産業の育成は…。北陸新幹線の延伸やリニア誘致、京都市立芸大の移転など大型公共事業への判断も求められる。

 門川氏は保育所待機児童ゼロなどの実績を挙げ、国や府との連携強化を訴える。

 福山氏は子育て支援強化や、中小企業の振興策に重点的に取り組むとしている。

 村山氏は持続可能なまちをつくるために、将来を見据えた政策を進める考えだ。

 京都が目指す未来は、どこにあるのか。よく見極め、大切な1票を投じたい。