支援者から花束を受け取り、涙ぐむ佐藤さん(19日午後8時22分、大津市のホテル)

支援者から花束を受け取り、涙ぐむ佐藤さん(19日午後8時22分、大津市のホテル)

 有権者が選択したのは、大津市政の刷新だった。19日投開票の大津市長選は無所属新人の佐藤健司さん(46)が初当選を果たした。引退する越直美市長と二人三脚で改革の継続を訴えた無所属新人の小西元昭さん(50)は、支持を広げられなかった。

 午後8時に届いた「当確」の一報に、大津市浜町のホテルに集まっていた支持者は喜びに沸き返った。佐藤さんは「それぞれの地域と対話を重ね、皆さんの声から始まる大津市をつくりたい」と決意を語り、「市民が主役の市政」の実現を力強く約束した。
 市民センターの機能縮小や道路整備など土木費の圧縮を進めた越直美市政の2期8年を「縮み志向」「行政サービス切り捨て」と真っ向から批判した。「今やるべきことをやってこそ、将来世代につけを残さない」。大津市議2期、滋賀県議3期の計16年務めた政治家として、小学6年の息子を持つ父親として「市政の転換」を訴えた。
 立候補は「苦渋の決断」だった。昨年4月の県議選大津市選挙区(定数10)でトップ当選し3期目に入ってわずか半年。かつての仲間だった市議会自民党会派から立候補の要請を受けた。出身は愛知県だが、大津はNHK記者時代の初任地であり、29歳で政治家に転身した「第二のふるさと」。大津のために「誰かがやらなきゃならない」と決断した。
 立候補表明から3カ月間、仲間の県市議らと小まめに地域を回ってきた。「地域で汗をかいている市民を後押しする市政に変える。夢あふれる大津市をつくる」と語った。

■出遅れ響く 小西さん

 改革への反発は予想以上だった。支援者が集まった県教育会館(大津市梅林1丁目)で、小西さんは「私の力のなさがすべての原因。重い1票を投じていただいた皆さんに感謝と同時に、申し訳ない」と頭を下げた。
 行財政改革を進めた越直美市政の「継承と見直し」を掲げ立候補を表明して1カ月半。出遅れを挽回しようと、正月返上で市内を駆け回った。連日の駅立ちやチラシ配りに、越市長や推薦したチームしが代表の嘉田由紀子参院議員が付き添った。28年間の市役所勤務で培った粘り強さや調整力をアピール。越市政の「見直し」にも言及したことで、越市長と対立した職員組合の支援も取り込んだが、最後まで出遅れが響いた。