横断歩道を渡ろうとする歩行者がいれば、ドライバーは一時停止する義務がある(京都市右京区)

横断歩道を渡ろうとする歩行者がいれば、ドライバーは一時停止する義務がある(京都市右京区)

「歩行者優先」を呼び掛けるステッカーを貼り付けた宅配車両(京都市上京区・京都府警本部)

「歩行者優先」を呼び掛けるステッカーを貼り付けた宅配車両(京都市上京区・京都府警本部)

 横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるのに車を停止させず、道交法違反(歩行者妨害)で摘発されるドライバーが京都府内で続出している。日本自動車連盟(JAF)が昨年夏に府内で実施した調査では、一時停止のルールを守ったドライバーはわずか5%と全国ワースト3位に。重大事故につながりかねないことから、京都府警は地元の宅配業者と連携して街中に「模範車両」を走らせ、歩行者優先のルールをPRする取り組みを始めた。

 道交法は、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、ドライバーは一時停止しなければならないと定めている。違反すれば歩行者妨害とみなされ、反則金などが科せられる。
 歩行者妨害での摘発は全国的に増加傾向にあり、一昨年は過去最多の18万1290件。府内では昨年11月末現在、2070件(前年同期比112件増)に上る。JAFが昨年8月15~29日、信号機が設置されていない府内2カ所の横断歩道で実地調査を行ったところ、一時停止したドライバーの割合は5・0%で、全国平均17・1%を大きく下回った。歩行者妨害が交通事故につながるケースもあり、京都府大山崎町では7月初旬、横断中の男性(71)が車にはねられて死亡した。
 このため、府警は昨年9月以降、府内でピザやすしなどの宅配事業を展開する5社と連携。「歩行者優先を徹底します」と記したステッカーを営業車計235台に貼り、一般ドライバーの前で模範的な運転を披露してもらう取り組みを始めた。今後、バスやタクシー、トラックなど各業界にも協力を要請する方針だ。
 府警交通企画課の滝清基交通安全教育センター所長補佐は「東京五輪・パラリンピックを控え、訪日客への安全対策も急務となっている。歩行者の命を守るため、ドライバーには一層の安全意識を持ってもらいたい」と話している。