大津地裁

大津地裁

 認知症の妻を刺殺したとして、殺人罪に問われた田部善一被告(86)の裁判員裁判の論告求刑公判が20日、大津地裁(大西直樹裁判長)であり、検察側が「動機や経緯は自己中心的」と懲役12年を求刑し、結審した。判決は22日。

 被告人質問で田部被告は、妻みどりさん=当時(87)=に「人生を奪って申し訳ない」と謝罪。別居の息子や福祉関係者に、妻の老人ホーム入所を何度も勧められたのに拒否したことについて、「自分の孤立が怖かった。金銭面や、周囲に冷酷と思われることへの不安もあった」と弁明した。

 検察側は論告で「身勝手な理由で妻の施設入所を拒んだ結果、怒りを爆発させた。介護疲れで起きた事件ではない」と非難した。弁護側は被告の年齢を踏まえ「妻の墓前で謝罪する機会を与えて」など刑の減軽を求めた。

 起訴状などによると、昨年7月16日、滋賀県米原市の自宅で何度も朝食を求めた妻の言動に激高し、包丁で首を10回以上突き刺して失血死させた、としている。