東近江市教委などが伐採した伊庭内湖の保全地域のヨシ群落。地元住民によると、伐採前には3~4メートルほどのヨシ(中央奥)と同じ丈があったという=同市伊庭町

東近江市教委などが伐採した伊庭内湖の保全地域のヨシ群落。地元住民によると、伐採前には3~4メートルほどのヨシ(中央奥)と同じ丈があったという=同市伊庭町

 滋賀県東近江市の伊庭内湖で毎年7月に開催されている「東近江市ドラゴンカヌー大会」の前に、主催者の市教育委員会や市スポーツ協会などが、滋賀県の条例で保全地域に指定されている同内湖のヨシを会場整備の名目で長年にわたり無許可で伐採していたことが2日までに分かった。大会関係者は「保全地域内だとの認識がなかった。許可を得ずに伐採したのは不適切だった」としている。

 県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例は、同内湖のヨシ群落の一部を保全地域に指定し、伐採には県の許可が必要と定めている。

 大会は、旧能登川町時代の1992年から毎年開催。例年、大会の1~2週間前に、観客がレースを観戦しやすいよう、同市伊庭町にあるカヌーの発着場付近のヨシを伐採していた。県への許可申請はしておらず、市教委によると、伐採は少なくとも十数年前から実施していたという。

 今年は7月14日の大会に向けて同月2日に伐採した。その様子を見た地元住民が「保全地域ではないのか」と市教委と県に通報。後日、市教委と県の担当者が現地を調べ、保全地域だと分かった。県が測量したところ同地域内の2カ所で計348平方メートルにわたって伐採されていた。

 県は市教委に対し、伐採した場所のヨシの定期的なモニタリング実施▽ヨシが再生しなかった場合、植栽をする―などを7月24日付で文書指導した。

 市教委スポーツ課の中村達夫課長は「保全地域の存在は認識していたが、伐採地は範囲外だと考えていた。来年度以降、伐採する際には県に許可を取った上で、地元住民とも調整を図りたい」と話している。