PTA加入の意思確認を行うための申込書のサンプル。入会前にしっかり説明することが求められている

PTA加入の意思確認を行うための申込書のサンプル。入会前にしっかり説明することが求められている

 PTAは変わってほしい-。そんな意見が京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に相次いで寄せられた。京都市内の小中学校を取材すると、保護者に入会の意思確認を行うPTAが増えていることが分かった。背景には、任意加入団体であるPTAで半強制的に入会させることは不適切だという認識が広まったことがある。今後、未入会世帯の増加が予想されるため、組織を見直す動きも出ている。一方、識者からは意思確認の際には十分な説明が必要との指摘も出ている。

 上京区のある小学校のPTAは本年度から新1年生の保護者を対象に、入会の意思確認を始めた。これまでは入学すれば自動的に入会していたが、市小学校PTA連絡協議会から意思確認をするよう勧められ、入会の意思を示す申込書の提出を求めることにした。

 結果的に数世帯が申し込まなかったといい、PTA会長は「任意加入団体だし、個人情報の取り扱いの難しさもあるので、意思確認は必要だと思った。加入者が減らないよう、保護者に活動の意義を伝えるともに、役員活動の負担を軽くして、協力しやすい環境を作りたい」と話す。

 入会の在り方は全国的に課題になっている。2017年には熊本市立小の保護者が「強制加入させられた」としてPTAを相手に起こした訴訟で、PTAは入退会自由な任意加入団体であることが確認された。こうした流れを受け、18年度には京都市のPTA連絡協議会などが意思確認を行うよう呼び掛けた。

 ただ新たな課題も生まれている。一つは未入会世帯の増加だ。ある中学校PTAでは本年度から1~3年で意思確認を始め、全生徒約450人のうち約30人の保護者が入会しなかった。校長は「毎年、未入会者は1人程度だったので、心配はある。魅力を高めてPTAを維持したい」と話す。

 市教育委員会によると、市立幼稚園と小中高校を合わせたPTA入会率は昨年までほぼ100%だったが、本年度は1%減少し、約900世帯が入会しなかったという。

 未入会世帯の扱いも課題だ。多くのPTAは、卒業記念品などを配布する際に差は付けない方針にしているが、ある保護者は「会費を払わなくてもPTA事業の恩恵を受けられるのであれば、入会しない人が増えるのではないか」とみる。

 意思確認について、多くの保護者は「うやむやに入会するよりはよい」(50代女性)などと前向きに受け止めるが、同志社大の太田肇教授(組織論)は「事前に十分な情報提供がないと効果を発揮しない」と指摘する。

 太田教授は「PTAの問題は役員業務が大変なこと。簡単な申し込みだけして、実際に入った後に仕事が多いと不満が募る。最初に仕事の内容を明確に伝えるべきだ」と強調。その上で「入会が減ればその規模に応じた組織に変えればよい。吉本興業の問題と同じで、契約に基づいた組織に変わっていくべきだ」と提言した。