古代朝鮮で百済王朝が滅亡した後、日本で活躍した渡来人、鬼室集斯の墓碑(滋賀県日野町小野・鬼室神社)。鬼室集斯は新羅によって滅ぼされた百済の高官で日本に逃れ671年、天智天皇の下で学識頭に就任したとされる

古代朝鮮で百済王朝が滅亡した後、日本で活躍した渡来人、鬼室集斯の墓碑(滋賀県日野町小野・鬼室神社)。鬼室集斯は新羅によって滅ぼされた百済の高官で日本に逃れ671年、天智天皇の下で学識頭に就任したとされる

 日野中(滋賀県日野町松尾)の生徒たちが今夏、町と姉妹都市提携を結んでいる韓国・忠清南道の恩山面(うんざんめん)を使節団として訪問し、現地の中学生らと交流した。最近の日韓関係の悪化で、各地で交流行事が中止されるなどの影響が出る中、生徒らは「これからも交流を続けていきたい」と語った。

 日野町小野の鬼室神社には、7世紀に百済から渡来したとされる高官・鬼室集斯(しゅうし)がまつられ、恩山面には集斯の父福信の墓がある。その縁で両自治体は1990年に提携を結び、互いに3年に一度、中学生を派遣している。

 今年は、日野中の1~3年生12人ら計16人が7月30日から2日まで韓国に滞在し、地元の恩山中の生徒たちと一緒に行動した。庭園が有名な宮南池(くんなむじ)などの観光地を巡ったり、互いに出し物をする時間には日野中の生徒がコマやお手玉を披露し、恩山中の生徒は弦楽器を演奏したりして、友情を育んだという。

 一行は、帰国後に日野町役場を訪れ、滞在時の出来事を今宿綾子教育長らに報告。生徒たちは、恩山中の校長から日本語で「この機会にぜひ仲良くなりましょう」とあいさつがあったことや、日韓関係悪化に関連したトラブルはなかったことを紹介した。

 恩山中の生徒と連絡先を交換した2年生は「以前からの友達のように感じることができた。これまでの関係をより深めていきたい」と語り、今宿教育長は「今後も交流を続けて、両国の懸け橋になってほしい」と願った。