手紙やはがきなど郵便物の土曜日の配達を取りやめる郵便サービス見直し案を、総務省の有識者委員会が了承した。

 人手不足による厳しい事業環境を理由に日本郵便が要望していた。同省は早ければ秋の臨時国会で郵便法改正を目指し、来年に実施する方向という。

 通常郵便の減少や働き方改革も背景にあるが、サービスの質が下がれば、利用者のさらなる「郵便離れ」を加速させる恐れがある。

 郵便法は、全国一律で安価に利用できるユニバーサルサービスを義務付けている。持続可能な事業基盤につなげられるのか、日本郵便はその展望を示し、経営改善に取り組むことが求められよう。

 見直し案は、土曜配達とともに差し出し日の翌日配達をやめ、最大3日以内が原則の配達日数を4日以内とすることも認めた。

 実施されると、木曜日に出した通常郵便の配達が、従来の金曜日から翌週の月曜日へと最長で3日ずれこむ。影響は全国の利用者に及び、投函日の前倒しが必要になるなど、使い勝手が悪くなるのは否めない。

 日本郵便の最大の狙いは、じり貧にある郵便事業の収支改善だ。インターネット普及によって全国の郵便物はピーク時の2001年度の3分の2に減少。かたや人手不足と人件費上昇に伴う収益低迷が続いて経営は「綱渡り」という。

 同社の試算では、土曜配達と、深夜の仕分けが要る翌日配達の廃止で年間約625億円の収支改善が見込まれる。生じる人員の余裕を、ネット通販拡大で急増する宅配便「ゆうパック」配達に一部振り向けることも可能になるとみられる。働く環境の改善を並行して進める必要がある。

 日本郵便は、速達や書留、ゆうパック、離島や山間部へ郵送される日刊紙については土曜配達を維持し、速達料は1割程度引き下げて利用を促す考えだ。全国一律のサービス確保の観点から、利便性低下を極力抑えつつ、利用者にどの程度のコスト分担を求めるかを詰め、丁寧に説明する責任があろう。

 一方、郵便局が舞台となったかんぽ生命保険の不正販売問題で、日本郵便は顧客を軽視した経営体質が浮き彫りになり、大きな批判を浴びている。

 全国のネットワークを維持しつつ、郵便局の効率的な配置を含めた業務全般と企業統治の抜本的な改革を進めなければ、利用者に見放されかねないことを肝に銘じる必要があろう。