たばこ店前の灰皿が昨年末に撤去されたJR長岡京西口。バスの降車場に近く、煙に対する苦情もあったという(長岡京市神足1丁目)

たばこ店前の灰皿が昨年末に撤去されたJR長岡京西口。バスの降車場に近く、煙に対する苦情もあったという(長岡京市神足1丁目)

 駅前の商店が店頭の灰皿を相次いで撤去した京都府長岡京市で、路上喫煙を防止するための規制が検討されている。京都市や亀岡市が制定している罰則付きの条例は、パトロールの費用の問題などから難しいとみられるだけに、実効性のある施策を打ち出せるかどうかが注目される。

 「本当はまだ置いておきたかったが、火災などの事故があっても困る」。JR長岡京駅西口のロータリーに隣接するたばこ店は昨秋、店頭の灰皿を撤去した。同駅西口周辺で唯一、屋外にある喫煙場所で、多いときには一度に10人近くのスモーカーが集まることもあった。だが、バスの降車場のすぐ近くで「煙たい」との苦情が寄せられることもあったという。
 
 阪急長岡天神駅の東口にあるコンビニエンスストアも同時期に店頭の灰皿をなくした。同駅周辺に屋外の喫煙場所がないこともあり、路上喫煙者や吸い殻のポイ捨ての増加が懸念されている。
 
 こうした状況の中、長岡京市は昨年12月に関係部局で「禁煙施策調整会議」を立ち上げた。JR長岡京駅西口や阪急長岡天神駅の近くで路上喫煙を防止するため、市が独自に喫煙スペースを設けることを検討したが、周辺に適当な市有地がなく設置は困難だとの見方が示されたという。

◇他の自治体は?

 府内では、「発見即過料」の京都市に続き、亀岡市が2018年7月に罰則付きの路上喫煙防止条例を施行した。19年7月から市内の駅周辺に設定した禁止区域で罰則(過料千円)の運用を始めたが、適用は巡回する嘱託職員による注意に従わない場合に限られており、これまでの約半年間で過料徴収はゼロだという。条例の効果について、同市健康増進課は「罰則を科すのが目的ではない。注意件数は減少傾向にあり、受動喫煙のない環境が守られつつある」との見方を示す。
 
 宇治市は今年から、市中心部の観光地を路上喫煙禁止区域とする「指針」の運用を始めた。喫煙のルール作りを要望する地元住民の声に沿っており、新設の1カ所を含む計2カ所を禁止区域内の喫煙所と定めて、たばこが吸える場所と吸えない場所を明確にした。条例と異なって過料などの罰則はない。
 
 現段階で、長岡京市は、宇治市のような「指針」による路上喫煙の防止を基本方針としているという。罰則付きの条例を制定し、定期的なパトロールを実施することについては、人件費がかさみ、すべての違反者への注意も困難だとして消極的な姿勢だ。
 
 人通りの多い駅周辺で、市が独自に新たな喫煙所を設置できるめどが立たない中、法的拘束力がない「指針」だけで路上喫煙をなくせるのか。喫煙者に対するマナーの徹底を呼び掛けるだけでなく、民間事業者や地域住民の協力も不可欠だろう。