人気女性声優を起用した「温泉むすめ」の着物カレンダー(京都市中京区・京染卸商業組合)

人気女性声優を起用した「温泉むすめ」の着物カレンダー(京都市中京区・京染卸商業組合)

着物姿の声優が登壇したイベントの様子。全国から集まった男性ファンらも和装を楽しんだ(2019年12月8日、京都市上京区・金剛能楽堂)

着物姿の声優が登壇したイベントの様子。全国から集まった男性ファンらも和装を楽しんだ(2019年12月8日、京都市上京区・金剛能楽堂)

 少子高齢化や若者の「着物離れ」が続く中、アニメファンの若者らに和装の魅力を発信しようと、京染卸商業組合(京都市中京区)は、全国の温泉地をモチーフにしたキャラクター「温泉むすめ」を使ったコラボ企画を展開している。人気女性声優を起用したカレンダーの発売やイベント開催などを通じ、新たな層に着物文化をPRしている。

 「温泉むすめ」は、東京の企画制作会社「エンバウンド」が地域活性化を目指して2017年に始めた。嵐山紫雨(しぐれ)(京都市・嵐山温泉)、おごと寧々(大津市・おごと温泉)など120以上のキャラクターを創作し、各地で声優を招いたイベントを開くなどしている。
 コラボ企画は、キャラクターが日本文化の発信に取り組む部活動という設定で「温泉むすめ 着物部」と名付けた。
 第1弾として昨年6月にカレンダー(2019年7月~20年6月分)を発売した。月ごとに12人の温泉むすめ役の女性声優に、同組合が提供した着物を着てもらい撮影。背景に嵐山や八坂の塔など京都の観光地を合成した。用意した着物の中には、人間国宝が製作した京友禅など、1着500万円程するものもあったという。カレンダーは1部3200円で全国のアニメショップなどで売り出し、千部がほぼ完売した。
 同12月には、金剛能楽堂(上京区)で声優を招いたイベントを開催。同区出身で嵐山紫雨役の上田瞳さんのほか、カレンダーに登場する田中美海さん、奥野香耶さん、高橋麻里さんの計4人が着物姿で登壇し、全国から集まった20~30代の男性を中心とするファン約600人を前に、嵐山温泉や京都の魅力を語った。
 この催しでは、和装での来場者にオリジナル手帳をプレゼントする企画を実施。約150人がレンタルするなどして参加した。東京都の会社員男性(36)は「思ったより動きやすく、和装で京都の街を歩くのはとても楽しかった。次もぜひ着物を着たい」と喜んだ。
 組合の田村輝男理事長(72)は「予想以上の数で、ファンの力をまざまざと見せられた。工夫すれば着物を着てくれる人は増えるのだと感じた」と手応えを話す。「着てもらうところから始め、着物の良さ、日本文化の良さを知ってもらうことにつながれば」と今後に期待を寄せている。