技芸の上達を星に祈り、和歌を朗詠する「乞巧奠」(8日午後2時40分、京都市上京区の府民ホール・アルティ)

技芸の上達を星に祈り、和歌を朗詠する「乞巧奠」(8日午後2時40分、京都市上京区の府民ホール・アルティ)

 歌道宗家冷泉家の七夕行事「乞巧奠(きっこうてん)」が8日、京都市上京区の府民ホール・アルティで催された。和歌の披講や蹴鞠(けまり)などがあり、門人や一般観覧者約850人が宮中文化のみやびな風情に浸った。

 乞巧奠は、冷泉家に伝わる年中行事の一つ。毎年、旧暦7月7日前後に同家で、牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)の2星に和歌などを手向け、技芸上達を願う。観覧希望に応え、5年ぶりに会場をホールに移し、昼夜2公演を行った。

 舞台上に、琴や琵琶、五色の布と糸、秋の七草などをしつらえた祭壇「星の座」が設けられ、蹴鞠や雅楽が披露された。続いて狩衣(かりぎぬ)や袿袴(けいこ)姿の男女7人が灯火を囲み、今年の兼題「七夕衣(しっせきのころも)」を詠んだ冷泉為人当主の和歌「彦星の露分け衣風吹けは袖か香匂ふ天川岸」など5首を高らかに朗詠した。

 即興の歌会「流れの座」では、5組の男女が天の川に見立てた白布を挟み、恋の歌を贈り合った。戦前、冷泉家時雨亭文庫の礎となる事業を手がけ、戦死した同家23代当主為臣氏愛用のバイオリンの特別演奏もあった。