自作を掲げて平和を願う活動に参加し、握手を交わす荒木さん(右端)とウールソンさん=京都市下京区・四条河原町交差点

自作を掲げて平和を願う活動に参加し、握手を交わす荒木さん(右端)とウールソンさん=京都市下京区・四条河原町交差点

 長崎への原爆投下から74年を迎えた9日、ともに芸術家である被爆3世の男性と元米軍兵が、京都市下京区の四条河原町交差点で自らの作品を掲げ、平和を願った。2人は「投下した側とされた側の立場を超えて一緒に立てた」と語り、固く握手を交わした。

 長崎市出身の画家の荒木晋太郎さん(40)=中京区=は祖母が被爆。母は白血病となり44歳で亡くなった。元米軍兵のアッシュ・キリエ・ウールソンさん(37)はイラク戦争の帰還後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされ、現在は各地で戦争の悲惨さを語っている。2年前の講演会で2人は出会った。

 この日は京都の美術家らが毎月行っている「平和を願う無言の路上展」の活動日で、荒木さんが訪日中のウールソンさんに参加を呼び掛けた。

 荒木さんは平穏を脅かす原爆やミサイルを表現したアクリル画、ウールソンさんは平和への思いが人々を銃弾から守るとのメッセージを込めた木版画を掲げた。核保有国の米国では現在も広島と長崎への原爆投下を肯定する人が多いが、2人は「隔たりを埋めるには小さくても一歩が大事」と話し、輪が広がっていくことを期待した。