映画「嘘八百 京町ロワイヤル」の舞台あいさつで豆まきする佐々木蔵之介さん、中井貴一さん、広末涼子さん(MOVIX京都)

映画「嘘八百 京町ロワイヤル」の舞台あいさつで豆まきする佐々木蔵之介さん、中井貴一さん、広末涼子さん(MOVIX京都)

「映画だけでなく、いつか京都の劇場でお芝居もやってみたい」と語る佐々木蔵之介

「映画だけでなく、いつか京都の劇場でお芝居もやってみたい」と語る佐々木蔵之介

映画「嘘八百 京町ロワイヤル」の一場面。東本願寺渉成園から逃げる中井貴一演じる古物商(右)と、佐々木蔵之介演じる陶芸家

映画「嘘八百 京町ロワイヤル」の一場面。東本願寺渉成園から逃げる中井貴一演じる古物商(右)と、佐々木蔵之介演じる陶芸家

 京都が舞台となる映画「嘘八百 京町ロワイヤル」に出演した俳優の中井貴一と佐々木蔵之介、ヒロインの広末涼子が2月2日、京都市中京区のMOVIX京都など京都の映画館4館で舞台あいさつを行った。節分にちなんで観客に豆をまき、拍手を浴びた。

 映画は古美術商と陶芸家がタッグを組み、古田織部ゆかりの“幻の茶碗”を巡って巻き起こすコメディー。京都出身の佐々木蔵之介は京都新聞の取材に、映画と京都への思いを語った。

 「まさかの続編です」と佐々木がほほ笑むように、「嘘八百」は、2018年1月に第1作を公開。千利休の生まれた大阪・堺を舞台に、古物商(中井)と陶芸家(佐々木)が、利休の茶碗を巡って一獲千金を狙う話だった。大ヒットとは言い難いが、そこそこの客入りを受け、続編が決定。茶道の中心地・京都に舞台を移し、昨年2月から撮影を進めていた。

 今回の映画「嘘八百 京町ロワイヤル」は、利休に茶を学んだ武将茶人・古田織部の幻の茶碗を巡る創作の物語。漫画「へうげもの」でも脚光を浴びた織部は、歪(ゆが)みや傷のある茶碗を、大胆かつ自由な美意識で愛したことで知られる。

 「この映画も、織部の茶器ではないけれど、歪みや傷のある人間しか出てこない」と佐々木。主人公コンビの古物商も陶芸家も、中年になっても芽が出ず、落ち着きがない。「誰でもパーフェクトを目指すけど、そうはならない。でも、だからこそ、それが個性になる。茶碗も人も、歪みを認め合うから面白いし、味になる」

 映画の肝になるのは、中井と佐々木の軽妙な掛け合い。中井は、父である俳優佐田啓二ら両親が京都出身だったこともあり、今も本籍が京都にあり、家庭では京都のイントネーションで育ったという。生粋の京都育ちの佐々木は「だから、貴一さんとは間合いとかが合うんですよ」と認める。

 伏見区の伏見大手筋商店街では、佐々木演じる陶芸家がギャラリーで個展を開く場面を撮影した。ギャラリーの主人役は、同じく京都出身の浜村淳(85)。

 「浜村さんはラジオでは映画のストーリーを全部滑らかに話されますけど、実際に映画に出演するのは、やはり映画が好きだから気持ちが入るのか、緊張されていました」と笑いながら、伏見という地については「僕自身、今年の大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』で木下藤吉郎(豊臣秀吉)役を演じるので、秀吉が城を築いた場所は何か縁を感じます」

 中井演じる古物商が京都に店を出す場面は、北区の新大宮商店街で撮影。ヒロイン役の広末涼子(39)が和服で訪れるシーンもあり、「京都らしく華やかになりました」(佐々木)。

 物語は、加藤雅也(56)演じる古美術店の主人、山田裕貴(29)演じる若手陶芸家らを交えながら、だまし合いが続く。終盤には、渉成園を舞台に大茶会が繰り広げられる。監督は、昨年公開の「全裸監督」で話題を呼んだ武正晴(53)が1作目に続き担った。テンポの良い喜劇に仕立てながら、「次世代や未来への橋架けとなる監督らしいメッセージも含んでいる」と佐々木はいう。

 関西の劇団で育った佐々木が全国区になるきっかけは、京都・太秦を舞台に2000年に放送された朝の連続テレビ小説「オードリー」で銀幕スター役を好演したことだった。当時、実家の酒造会社は「オードリー」という銘柄の清酒を発売。今回は「さすがに嘘八百という名前の酒は、縁起が悪いですね」と表情を崩しつつ、「映画自体は前作よりもパワーアップしてます」と自信をのぞかせた。

 京都ではT・ジョイ京都、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条などで公開される。