堂々とした唐破風が特徴の銭湯「容輝湯」と女将の藤内さん。「地域の人にも改めて魅力を知ってもらいたい」と話す(大津市栄町)

堂々とした唐破風が特徴の銭湯「容輝湯」と女将の藤内さん。「地域の人にも改めて魅力を知ってもらいたい」と話す(大津市栄町)

 90年近い歴史を持つ大津市栄町の銭湯「容輝湯(ようきゆ)」の経営がこのほど、高齢の女将(おかみ)から京都市の若手銭湯経営者に引き継がれた。地元出身の藤内佑季奈さん(26)が新たな女将として切り盛りし、地域のにぎわいの拠点にしようと奮闘している。

 容輝湯は1932年に創業したとされ、玄関にある大造りの唐破風(高さ2メートル20センチ、幅5メートル80センチ)が特徴。京都アニメーション製作のアニメ「中二病でも恋がしたい!」に登場する銭湯のモデルとされる。

 新たに経営を始めたのは下京区の「サウナの梅湯」番頭の湊雄祐さん(28)。銭湯活動家「湊三次郎」を名乗り、昨秋から大津市馬場3丁目の「都湯」の経営も手掛ける。

 新女将の藤内さんは、小学校入学前まで栄町のある石山地区で育ち、京都精華大(左京区)在学時に銭湯をイメージしたグッズを作っていたことから湊さんと知り合った。卒業後、大津市の会社に勤めながら、人手が足りなかった容輝湯で一緒に掃除を手伝っていた。

 藤内さんが、前女将の宮前志ず子さん(72)から、体調不良で廃業を検討していると昨年末に聞き、「生まれ育ったまちの銭湯を残したい」と決心。引き継ぎたいと申し出た。「もうからない。先がない」と断られたが、湊さんと粘り強く説得。会社を退職し、7月から番台に座って日常業務をこなしている。SNS(会員制交流サイト)などを使った広報にも力を入れる。

 藤内さんは「昭和レトロな雰囲気で、小旅行的な気分で来てもらいたい。常連客にも楽しんでもらえるよう内装なども今後工夫していく」と話す。

 午後3時~午前0時。火曜休み。