遺族らに返還された日章旗やのぼり旗(大津市・県庁)

遺族らに返還された日章旗やのぼり旗(大津市・県庁)

 太平洋戦争に滋賀県から出征した兵士の遺留品4点の返還式が8日、大津市の県庁で行われ、米国に渡った寄せ書き入りの日章旗や、夫の無事を祈る妻の手紙などが遺族らのもとに戻った。戦後74年を経て手にする品に「感無量」と涙ぐむ人もあり、参加者は戦没者に思いをはせ、恒久平和を願った。

 日章旗などは戦地から米兵が当時持ち帰った品とみられ、遺品整理やオークションで見つかった。遺留品を遺族に返す活動をしている米国の非営利団体「OBON SOCIETY(オボン ソサエティー)」を通じ、保管していた米国人や仲介者からの手紙やメッセージを添えて遺族に返された。

 遺族を代表し、滋賀県東近江市の山本謙一さん(76)は「心を込めてご苦労さまでした、お帰りなさいと声をかけたい」と述べた。「必勝不敗」などの言葉が墨書きされた日章旗は、謙一さんの叔父敏雄さんに贈られた旗。特攻隊員だった敏雄さんは若くして戦死し、遺品がなかったという。

 遺留品は他に、愛荘町出身の満島政男さん、日野町出身の歯黒八郎さん、長浜市出身の太田有恒さんの手紙や旗で、三日月大造知事からそれぞれの縁者に手渡された。滋賀県遺族会の大長弥宗治会長は「古里へ帰りたいというみ霊の思いが通じたのだと思う。古里で安らかに眠ることを切に念ずる」と述べた。