一酸化炭素中毒の注意点

一酸化炭素中毒の注意点

京都市市民防災センターの避難体験室。避難するときは姿勢を低くし、壁などにある誘導灯に従う(京都市南区・同センター)

京都市市民防災センターの避難体験室。避難するときは姿勢を低くし、壁などにある誘導灯に従う(京都市南区・同センター)

 京都アニメーション第1スタジオの放火殺人事件では、一酸化炭素(CO)中毒死による犠牲者も出た。COは無色・無臭で、知らないうちに吸い込んで症状を引き起こすこともある。火災だけでなく日常生活にも危険が潜んでいる。

 屋内では酸素不足で不完全燃焼が起こりやすく、COが発生する。COを吸い込むと、体内で酸素を運ぶヘモグロビンに結びつく。府医師会理事で京都第二赤十字病院(京都市上京区)の成宮博理・救命救急センター副部長は「COがヘモグロビンにつく強さは酸素の200倍ともいわれ、なかなかはがれない」。体内が酸素不足になると頭痛や吐き気を引き起こす。中毒が進めば意識がなくなり、最悪の場合は死に至る。

 症状が軽くても注意が必要という。「2~3週間後や1カ月後に頭がぼーっとしたり、物忘れが急にひどくなったり、性格が変わったようになったりと後遺症が出ることがある」。体内に入ったCOが細胞に取り込まれ、じわじわとダメージを与えるためだ。

 こうした症状は、CO中毒時に血中のCO濃度が高かった人に生じやすい。空気中のCO濃度が低くても、長い時間COにさらされると危険性が高くなる。閉めきった部屋の茶席で長時間炭をおこしたり、石油ストーブやガス湯沸かし器を換気せずに使い続けたりする場合などだ。

 濃度が徐々に高くなる場合は体が慣れてしまい、気付きにくい。予防には「何より換気をし、新鮮な空気を取り込むことが大切」と成宮さん。頭痛などがある場合は「ためらわずに病院に行った方がいい」とアドバイスする。

 火災時は、どう行動すればいいのか。COやCOを含む熱せられた煙は空気より軽く、上に流れるため、避難する際は姿勢を低くする。上層階にいる場合は基本は下へ逃げる。その際、煙を吸わないように口をハンカチで覆う。ハンカチがなければ服や靴下でも代用できる。市防災協会(南区)の南部雄二事業課長は「煙は粒子なので、繊維の細かいもので防いでほしい」。視界が煙で遮られるため、進む方向を見失わないよう壁伝いに逃げる。

 旅行などで初めての場所に行き、長時間過ごすときなどは、事前にできることとして避難経路を確認し、実際に歩いてみることを南部さんは勧める。「事前に知っておくことで、落ち着いて行動できる」と強調する。