「歩く姿がかわいい」と人気だったというマゼランペンギンのミドリとアカ、クロ(同館提供)

「歩く姿がかわいい」と人気だったというマゼランペンギンのミドリとアカ、クロ(同館提供)

あおむけの状態から上体を起こす「腹筋」で人気者となったゴマフアザラシのゴン太(同館提供)

あおむけの状態から上体を起こす「腹筋」で人気者となったゴマフアザラシのゴン太(同館提供)

 当時、府内唯一の本格的な水族館を備える施設として誕生した「丹後魚(うお)っ知館」(京都府宮津市小田宿野)が今月、30周年を迎えた。地域住民らに親しまれ、リピーターも多いという。歴代の人気者たちの写真と共にその歩みを振り返る。

 盆休みの13日、同館は親子連れらでにぎわった。家族4人で訪れた会社員山下佑香さん(33)=京丹後市久美浜町=は「子どもの頃に母や妹とよく来たので、水族館といえばここ。息子2人も楽しんでいる」と笑顔を見せた。

 同館は関西電力宮津エネルギー研究所のPR館として1989年8月26日に開館。ピーク時は年間30万人以上が来館し、近年も8万5千人ほどが訪れる。

 現在、約200種類約4千匹を飼育しているが、開館当初は今よりも少なく、生物は魚類が中心だったという。水族館の館長吉田史子さん(53)は「発電所のPR館ということもあり、当時はデンキウナギがいて人気があった」と懐かしむ。

 初めて海獣類が仲間入りしたのは94年。ゴマフアザラシのカクとトクだった。2000年にゴマフアザラシのカン太とゴン太が、01年にマゼランペンギンのミドリとアカ、クロが加わり、魚類以外の生物も増えた。これらの人気者のうち、現在も同館で生活するゴン太は昨年、あおむけの姿勢から上体を起こす「腹筋」で鰭脚(ききゃく)類による一芸の人気投票「ヒレアシ甲子園」の近畿1位、全国12位という好成績を収めた。

 明るい話題の一方、同研究所の火力発電所は04年までに長期計画停止に。関電は昨年10月、再稼働を事実上断念する意向を示した。関連会社が運営する同館について「設備の老朽化が激しく、継続には大規模な修繕が必要。それも踏まえて存続の是非などを検討中」(広報室)としている。

 魚っ知館館長の川北剛治さん(62)は「来てくれる人がいてやってこられた。今後も楽しんでもらえるように運営していきたい」と話している。