細胞内の器官の一つミトコンドリアにタンパク質が誤って運ばれた際、タンパク質を分解したり別の細胞内小器官に運び直したりするメカニズムがあることが分かったと、京都産業大などのグループが発表した。細胞内にタンパク質の配送を「校正」するシステムがあるという発見で、生命の基本現象への理解を前進させる知見という。成果は22日、米科学誌「モレキュラー・セル」に掲載される。

 細胞内にはミトコンドリアや核、小胞体など数々の小器官があり、数万種類のタンパク質がそれぞれ決まった場所に正しく「配送」されることで、細胞機能が保たれている。近年、誤配送が起こる例が見つかってきたが、それを処理する仕組みについては詳しく分かっていなかった。

 京産大生命科学部の遠藤斗志也教授や松本俊介研究員らのグループは、酵母のミトコンドリアの外膜にあるタンパク質「Msp1」に着目。本来別の器官で働くべきタンパク質を改変して誤配送させたところ、Msp1によってミトコンドリアから引き抜かれ、近くにある小胞体に送られ、小胞体の分解機構によって分解された。また別の器官で働くタンパク質を誤配送させたところ、Msp1などによって本来働くべき器官に配送し直されたという。

 Msp1はヒトのミトコンドリアにもある。遠藤教授は「今後病気や老化などとの関連について研究が進むことが期待される」としている。