「歩かずに立ち止まる」などと呼びかけるポスターを掲示したエスカレーター(京都市中京区・京都市役所前駅)

「歩かずに立ち止まる」などと呼びかけるポスターを掲示したエスカレーター(京都市中京区・京都市役所前駅)

 鉄道駅でのエスカレーター事故を防ごうと、京都市交通局を含む全国の鉄道事業者や日本エレベーター協会(東京)などが今夏、「エスカレーター乗り方改革」と題した安全キャンペーンを展開している。交通機関でのエスカレーター事故は増加傾向といい、慣例化している「片側あけ」による歩行も危険を伴うとして「歩かずに立ち止まろう」と呼び掛けている。

 同協会がエスカレーター製造・保守の会員企業に調査した結果、2013~14年に転倒や挟まれ、転落など1475件の事故が発生した。うち鉄道駅など交通機関は半数の751件で、08~09年調査から324件増えた。

 事故原因は「手すりを持たずに転倒」「踏み段の黄色の線から足をはみ出して挟まれる」など安全ではない乗り方が大半。そのため、全国の鉄道事業者などは10年に安全キャンペーンを始めた。京都市内で運行する事業者では市交通局のほかJR西日本、阪急電鉄、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道、叡山電鉄が参加している。

 今年は「歩かず立ち止まる」ことを初めて明確に掲げたのが特徴だ。市営地下鉄ではかつて急ぐ人にエスカレーターの右側を空けるよう呼び掛けていた時代もあり、左側に並ぶ光景が目立つ。山科区の50代男性は「上りエスカレーターで前にいた高齢女性が、隣をすり抜けた人と接触してこちらに倒れてきた経験がある。もし自分がいなければ女性は下まで転落していた」と振り返る。

 また、左側に立つ前提だと、左手のけがや障害のために右手でしか手すりを持てない人は不自由を強いられるといい、日本エレベーター協会は「2列で並んで止まってほしい」と呼び掛ける。

 市交通局でもキャンペーンに合わせて8月31日まで地下鉄各駅にポスターを張りだしており、「通勤・通学時に急ぐ人はエスカレーターを歩きたくなる気持ちも分かるが、だれもが安全に利用できるように考え方を転換してほしい」としている。