カネミ油症の被害の実態を伝える写真展(京都市下京区・ひと・まち交流館京都)

カネミ油症の被害の実態を伝える写真展(京都市下京区・ひと・まち交流館京都)

 1968年に西日本一帯で表面化した大規模な食品公害「カネミ油症」を手がかりに、ポリ塩化ビフェニール(PCB)やダイオキシン汚染について考える写真展が、京都市下京区のひと・まち交流館京都で開かれている。被害者の写真を中心に、身の回りの有害化学物質の危険性を伝える。

 首から背中に広がる吹き出物、変形した手足の爪、髪や歯が抜け落ちた頭部…。会場の写真は、70年代に写真家の河野裕昭さんが撮影した。色素が沈着した「黒い肌の赤ちゃん」は公害がもたらす次世代への影響を伝える。被害者が東京の街頭で署名やカンパを呼び掛けた写真には、「関心の低さを実感し、悔しかった」と当事者のコメントが添えられた。

 カネミ油症は長崎、福岡両県を中心に起きた。カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油を使った料理を食べた人らに吹き出物や手足の痛み、内臓疾患などが生じた。製造装置の配管から、PCBやダイオキシン類が混入したのが原因だった。

 約1万4千人が症状を訴えたが、認定患者は約2300人にとどまる。発生から半世紀がたち、被害者の高齢化も進む中、学術団体が催すダイオキシンに関する国際会議が25~30日に京都市内で開かれる機会に合わせて、NPO法人・市民環境研究所(左京区)などが写真展を企画した。

 会場には、不燃性の高さから幅広い製品に利用されたPCBについて、製造が禁止された現在も回収・処理作業が続く現状を説明したパネルもある。訪れた西京区の主婦(59)は「カネミ油症という言葉は聞いていたが、被害者がなかなか救済されていない実態は知らなかった」と話した。

 31日まで。26、28日の午後1時から、会場で認定患者の下田順子さんが被害に関する来場者の質問に答える。入場無料。